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2006/01/17
【衆院国交委】長妻議員、ヒューザーと伊藤元長官との関与追及


衆議院国土交通委員会で17日午後、マンションなどの耐震強度偽装事件に関して、開発会社「ヒューザー」の小嶋進社長の証人喚問を行い、民主党の一番手として長妻昭『次の内閣』ネクスト国土交通大臣が質問に立った。

 小嶋証人は同社幹部が姉歯元1級建築士のデータ改ざんを確認した直後、マンションを販売した疑惑が浮上している。また、事件の発覚直前、自民党の伊藤公介元国土庁長官の仲介で国交省幹部と面会したことが判明。民主党はそうした事実に基づき、同社長の喚問を強く求めてきた経緯がある。

 長妻議員は阪神・淡路大震災から11年目を迎えたことに言及。被害者の冥福と被災者へのお見舞いを述べるとともに、「建物による死亡者は大変多い。まさに耐震偽装の問題は孫子の代までの重要なテーマ。真相究明なくして解決策・防止策なし」と語り、小嶋証人に対し真摯な対応を強く求め、質問に入った。

 グランドステージ船橋海神について、同社が10月27日時点で問題物件と認識していたか否かを長妻議員が質問したのに対して同社長は答弁を拒絶。同日午前中に耐震強度が偽装されたマンションリストが手渡されたとする事実を長妻議員が重ねて質したのに対しても「証言を控えさせていただく」と突っぱねた。

 委員長から拒絶の場合は事由を示すよう注意を受けた上、「10月27日にそのリストを示されていると私は認識しているので、後日そのリストを」と長妻議員が提出を求めたにも関わらず、小嶋証人は「刑事訴追の恐れがあるので証言は控える」と回答。同種の答弁を繰り返し、明確な証言をひたすら回避した。

 続いて伊藤元国土庁長官との関係に関して、この事件に関する問題で初めて相談した時期を長妻議員が質すと、「耐震偽装の相談をした覚えはない」などと最初発言したが、直後にその証言を撤回して「刑事訴追の恐れがあるので証言は控える」と主張。最初の接触時期を質しただけにも関わらず、「刑事訴追の恐れがある」とひたすら繰り返す小嶋証言を受けて長妻議員は逆に疑惑が深まったとの認識を示し「(刑事訴追と判断するのは)何の法律(による)か」と厳しく攻め寄った。

 そうした指摘を受けた小嶋証人は「最初の電話を入れたときは耐震偽造の相談をしていない。10月末か11月のはじめだ」と発言。耐震偽装に関する質問をしたのはいつかを長妻議員が重ねて質すと、証言をまたしても拒否。度重なる「刑事訴追の恐れがある」との証言に対し、長妻議員は伊藤元国土庁長官が何らかの犯罪に関与していると疑われても仕方ない背景がある証明だと重ねて指摘した。

 さらに長妻議員は、ヒューザーが販売したマンションの設備点検を請け負っていたことが判明した伊藤元国土庁長官のファミリー企業「フューチャービジネスネットワーク」に関連して質問。「どの程度の管理業務を請け負っているのか」との問いに、小嶋証人は再び証言を拒絶。長妻議員は「ますます疑惑を感じる。なぜそれ(契約内容)を聞くことが刑事訴追に繋がるのか理解できない」と述べ、小嶋証人と伊藤元国土長官間にただならぬ関係が存在することへの疑念を示した。
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