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2006/03/02
校舎改築・補強の国負担増定めた学校施設等耐震化促進法案提出


 民主党は2日、公立小中学校の校舎の耐震化が全体の51%に過ぎない現状を踏まえ、児童・生徒の安全確保と、地域の防災拠点整備に向け早急な対応が必要との観点に立って、耐震診断の義務づけや耐震改築・補強の国庫負担かさ上げ等を定めた「公立の小中学校等における地震防災上改築又は補強を要する校舎等の整備の促進に関する臨時措置法案」(学校施設等耐震化促進法案)を参議院に提出。法案発議者の佐藤泰介、鈴木寛(『次の内閣』ネクスト文部科学大臣)、神本美恵子、那谷屋正義各参議院議員が提出後に国会内で会見した。
 
 公立学校の耐震化は2002年に消防庁がまとめた公共施設等の耐震化推進に対する報告書にも「極端に耐震化が遅れている」との指摘があり、民主党では早急な対応が必要との認識に立ってワーキングチームをつくり、検討を重ねてきた。
 
 会見で佐藤議員は子どもの安全対策を今国会の重要なテーマと位置づけ、引き続き取り組んでいることを改めて表明したうえで、その一環としての法案提出であるとした。

 法案の概要を説明したか神本議員は「子どもが学ぶ場であるばかりでなく、地域の防災拠点にもなっている学校という施設がこうした状況であるのは極めて問題」との認識を示し、1981年に新耐震設計基準の施行前に建築された校舎8万3000棟中、約6万3000棟が耐震化されていない状況であることにも言及した。同時に「耐震化が遅れているのは、予算措置ができないことが要因」とも指摘した。

 法案では、新耐震設計基準の施行前に建設されたものに対しては耐震診断の実施を義務づけ、診断結果の公表を求めるとともに、診断結果を実施した校舎ごとに掲示しなければならないと定めている。これによって、保護者や近隣住民が校舎の実態を認識する契機とし、耐震化の促進・予算獲得にインセンティブを与えようというもの。

 また、耐震診断の結果、改築や補強が必要と認められたものは速やかに耐震化を進めることを求めており、校舎の改築に現行制度では国庫負担率が3分の1であるところを2分の1にするなど、現行制度からの補助率のかさ上げを盛り込んでいる。さらに、地方公共団体の負担分についても交付税措置が受けられるよう定めることで、耐震化の一層の促進を目指している。
 
 法案はむこう5年間の臨時措置法としており、5年間で耐震診断を行い、速やかに改築または補強の実現を目指す。
関連URL
  学校施設の耐震化促進法案について
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=453
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