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2005/05/24
岡田代表、外交安全保障ビジョンについて外国人特派員協会で講演


 岡田克也代表は24日昼、日本外国人特派員協会の招待で、自らの外交安全保障ビジョン「『開かれた国益』をめざして −アジア、そして世界とともに生きる−」について、都内で講演し、詳しく自らの考えを述べた。

 岡田代表はまず、昨年示した「2015年日本復活ビジョン」を更に深めたものの第一弾が、今回示した外交安全保障ビジョンであることを説明した上で、有識者との議論を重ねて代表自らの手で書き上げた、トップダウン形式でつくり上げたものであることを指摘した。

 またその内容について岡田代表は、10年後の世界を展望するにあたって重要視すべきこととして、「米国の外交安全保障政策が、国際協調を重視する方向に向かうか否か」、「アジア、とりわけ中国の外交が安定要因になるか」、「国際社会におけるグローバルガバナンスの確立」の三点を列挙した。加えて岡田代表は、「日本の外交が、今までのように受け身の外交ではなく、自らが10年後のビジョンを描き、そのビジョンに基づいて外交戦略を組み立てていく」という外交であるべきだと強く指摘した。

 その上で、まず第一のポイントとして、アジアとの関係について触れた岡田代表は、「今後、更に経済成長を遂げ、将来性に富むアジア」の一員であることは、「日本にとって大変、幸運なこと」だと述べ、「平和で豊かなアジアをつくっていくために、日本は貢献していかなければならない」ことを強調した。そのために、東アジア共同体の実現が重要であるとするとともに、中国との関係については、「日本にとって、平和で豊かであるためには、中国との信頼関係がしっかり構築されていなければならない」とし、「中国から見た場合にも、それは同じ」であることを指摘。韓国との関係についても同じことが言えることも指摘した。また岡田代表は、東アジア共同体について、ASEAN、日中韓を軸に構築することを念頭に置きつつ、同時に日米間でFTAを結ぶことについて本格的に取り組むべきであることも指摘した。

 第二に日米関係について触れた岡田代表は、米国との関係を進化させていくことの重要性を強調し、「日米同盟は、日本にとって大きな資産」であり、「米国が、日本にとって不可欠な協力相手であり続けることは、10年後も変わらない」と指摘するとともに、「冷戦期のように、共通の敵があった同盟関係から、多様な国際社会の中での同盟関係」に変容している現状を踏まえ、日本と米国の「国益が常に一致するわけではないことを念頭に置いて、同盟関係は強化していかなければならない」などと述べた。

 第三に、世界の平和と安定に対する日本の貢献について岡田代表は、日本は国連安保理の常任理事国になるべきであるが、「単に常任理事国になることが目的ではなくて、常任理事国になって何をするかということが重要だ」とした。

 最後に岡田代表は、わが国は「自信に裏付けられた謙虚さを持つべきだ」として、戦後日本が成し遂げてきた豊かさ、民主主義にもっと自信を持つべきだと指摘。「最近、日本に一部排外的なナショナリズムにつながるような言動が見られる」が、「自らに自信がないから、そういった表現になるのだろう」として、「自信があるからこそ、多様な価値観を認め、他者に対して寛容であり、自らの過ちに対して率直であることができる」と指摘して、「自信に裏付けられた謙虚さ」の重要性を改めて強調し、講演を締めくくった。
関連URL
  「『開かれた国益』をめざして −アジア、そして世界とともに生きる−」
 http://www.dpj.or.jp/vision/
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