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2005/06/02
【衆院予算委】説得の努力しないなら辞任を 岡田代表が首相に迫る
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衆議院予算委員会の集中審議が2日午後開かれ、民主党・無所属クラブから岡田克也代表がトップバッターとして質問に立った。岡田代表は、小泉首相の靖国神社参拝問題とアジア各国との関係悪化の問題や郵政改革問題について鋭く総理に迫った。
岡田代表はまず、東京裁判やA級戦犯についての小泉首相の認識を質し、首相は、「日本として受諾している」などと答弁。岡田代表は、A級戦犯の問題について、色々な議論はあるが、「わが国として受諾をしている、これが議論のスタート」だと確認した上で、首相の、「どのような追悼の仕方がいいということは他の国が干渉すべきでない」との発言の真意を質した。首相は、発言が「おかしいとは思っていない」とし、「内政干渉という言葉の定義はない」「内政という定義はない」などと支離滅裂な発言。岡田代表は冷静に、国際法上の内政干渉の定義を紹介し、これを踏まえない首相の発言を、「軽率だ」とたしなめた。
岡田代表は続いて、小泉首相の靖国神社参拝に関する「いつ行くか、適切に判断する」との発言を取り上げ、「いつ行くか」が付いたことで、「一歩踏み込んでいる」とし、靖国神社に「行くことが前提で述べているのか」を質した。首相は、「いつ行くか、適切に判断する」との答弁を延々と繰り返し、ついには「これが、いい答弁だ」と完全な開き直り。日中関係の現状認識についても首相は、「今までにない日中経済交流が深まっている」などと他人事のような答弁に終始。岡田代表は、「そこまで言うなら、独りよがりどころか、完全な開き直りだ」と厳しく批判した。
岡田代表は、日本の国連安保理常任理事国入りについて、野党の立場からもサポートする意向を示しつつ、首相の靖国参拝問題が、常任理事国入りや六カ国協議にも影響を与えている厳しい現状を指摘し、首相の考えを改めて質した。しかし首相は、「参拝がいけないというのか。中国が言うからいけないのか」とまたも完全に開き直り。これに対し岡田代表は、「選択肢は三つしかない」として、「自らの判断で行かないと決めること」、「相手を説得し、その考えを貫くこと」をまず挙げ、いずれもやらないのであれば、「小泉総理が日本国総理大臣を辞めることしかない」と厳しく断じた。首相は、「信条の自由がある。心の問題だ」と全く問題の本質を理解していないことを露呈する答弁。岡田代表は、その荒過ぎる答弁をたしなめ、「日本の国の利益がかかっている」として、首相が「きちんと解決する責任がある。その自覚がないなら辞めるべきだ」と再度迫った。首相は、「神道を奨励するために靖国神社に行っているのではない」などと質問と無関係な答弁で逃げた。
続いて岡田代表は、郵政民営化問題について「何のために民営化するのか、国民の多くがそのことが分からないと言っている」と小泉首相を質した。首相は、「広い分野にこの郵政改革は資する」としたが、具体的には答えずじまい。「公務員でなくするために民営化するというのは、本末転倒の議論だ」と釘を刺した岡田代表は、「郵政公社を民間に持っていって、本当にビジネスモデルとして成り立つのか」に疑問を呈し、「官の肥大化という結果に必ずなる」として、「公社のまま改革を進めることに重点を置くべきだ」との民主党の考えを明快に説明した。
そして岡田代表は、「民営化」された日本郵政株式会社が、「国の出資が3分の1以上入る特殊会社」であるとして、これは民営化ではないと指摘。どんどん事業を拡張する特殊会社をもって、「これが官の肥大化でなくて何なのか」と質した。首相は、「NTTも政府が株を所有している」などと答弁。岡田代表は更に、民営化後の会社が、「ゼロからスタートして、取引先も専門家もノウハウもない」中で、およそ35兆円の運用について「どうやってどこに貸すのか」を質したが、首相は「移行期間を設けている」「できない、できるというのは、それぞれ意見がある」などの具体性のない答弁に終始した。
岡田代表は、「独りよがりにならずに、多くの人の意見に率直に耳を傾けてもらいたい」と、小泉首相の政治姿勢に改めて苦言を呈し、「民営化は認められない」とした上で、郵政民営化関連法案に自民党内で党議拘束がかかっているかを質して、質問を終えた。
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