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2005/06/07
【衆院郵政特】山花・中村両議員、郵政法案の欠陥めぐり関係大臣追及


 衆議院郵政民営化に関する特別委員会は7日午後、質疑を行い、民主党・無所属クラブからは山花郁夫・中村哲治両衆院議員が質問に立った。

 山花議員は冒頭、郵政民営化後の株式会社の株式保有に関する外資規制について取り上げ、「戦略的買収の形を取られたときに、防衛できるという担保がないのでは」と質した。南野法相は、会社法案にもある通り、一般の株式会社と同様のあらゆる防衛策を取れると答弁したが、山花議員は「一般の株式会社と同程度にしかできない。あたかも完全に排除できるかのように聞こえる」と指摘した。

 山花議員は次に、3日の特別委員会の中で「事実誤認と思われる発言」を小泉首相が行ったと指摘。荷物の配送に関しては、民営化によって現在の公社のサービスから低下する地域があり得ること、加入者福祉施設についても、日本郵政公社の生田総裁に現状を質した結果、事実関係が違うことが確認できたため、訂正する機会を求めた。二階委員長は、後刻理事会において協議すると述べた。

 続いて山花議員は、郵政公社の決算報告に関する資料の誤りについての説明を、生田総裁に求めた。生田総裁は、6日の特別委員会以前に配布された資料に誤記載があり、それを対外的に訂正し公表することなしに訂正したことを認めて謝罪した。

 さらに山花議員は、6日の質疑において、政府側が十分な答弁を行わなかった中央省庁等改革基本法第33条1項6号の解釈を改めて求め、細田内閣官房長官は「政府統一見解」を表明。これに対して山花議員は、法案の審議において大臣に解釈を求めて得た答弁が、後になって「政治家の信条」と言われるのであれば「とても理解ができる話ではない」と追及。二階委員長は、政府統一見解と、過去の大臣答弁との整合性について、別途整理して理事会で報告を行わせると語った。

 山花議員は、郵政民営化関連法案について「(竹中郵政民営化担当大臣は)法制上、責任ある答弁が行えるのか」と質した。竹中大臣は「基本的には、職務の範囲で説明責任を果たす中で、法案に関する答弁をする、その意味で責任は私にある」などと要領を得ない答弁を行った。「責任あるのは誰か」との山花議員の追及に対して、「法律全体の責任者は竹中大臣」と細田官房長官は答えた。

 山花議員に続いて質問に立った中村哲治議員は、日本郵政公社の設立に当たって「民営化は行わない」とした歴代郵政相の答弁について「政府の見解として述べたものではない。政治家としての信条を話したもの」などとして、6日の同委員会審議が中断する原因となった竹中郵政民営化担当相の発言を改めて取り上げた。中村議員はこの点をめぐり、「新たな公社とすることにより、民営化等の見直しは行わないものとする」としている中央省庁等改革基本法33条1項6号をめぐる政府見解を改めて示すよう委員長に要請した上で、質問に入った。

 中村議員は、山花議員と細田官房長官との質疑に基づき、「細田官房大臣の答弁を前提にすれば、条文に関係する発言だとしても政府の統一見解ではないのか」と質問し、郵政民営化関連法案をめぐる各大臣の発言は政治家個人の見解に位置づけるか否か、答弁を求めた。竹中担当相は「法案については私が一義的に答弁する」「関連問題についてはそれぞれの担当大臣がそれぞれの担当範囲で答弁する」などとあいまいな答弁を繰り返すだけで、何をもって政府の統一見解とするかの規準、有権的解釈の問題についてはあくまで答弁を回避。「どの答弁であっても政府を代表しての答弁であるはず」と中村議員は重ねて追及したが、「それぞれの大臣の省庁に属すること」と竹中担当相は述べ、中央省庁等改革基本法33条1項6号をめぐる政府見解と合わせて答弁するとして、明確な答弁を徹底して避けた。

 中村議員は、細田官房長官に対しても、中央省庁等改革基本法33条1項6号をめぐって「民営化を行うのであれば本法の修正法案の提出が必要」との観点で質問。細田官房長官は「6号の問題は公社化について示したもの。そのことについておかしいとおっしゃる意味はわかっているがおかしくないとするのは見解の相違」などとする答弁を重ね、実質的な説明なしに公社化以後のことまで規定していないとする整合性のない見解を示すに留まった。
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