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2005/06/07
【参院決算委】直嶋議員、JR事故を受けて国の安全対策を質す


 7日午前、参議院決算委員会で平成15年度決算の締めくくり総括質疑が行われ、民主党・新緑風会から、松井孝治参院議員に続いて直嶋正行参院議員が質問に立った。

 尼崎でのJR福知山線の脱線事故を取り上げた直嶋議員は、事故の犠牲となられた方のご冥福と、けがをされた方の回復をお祈りすると冒頭で述べてから、小泉首相と北側国交相に、安全性の確保へ向けた政府の今後の対策について質した。

 直嶋議員は、「鉄道事業は国の許認可事業」であり、「安全基準やダイヤ編成」について、国はチェックする責任を有すると改めて指摘してから「今回の事故でどういう問題意識を持ったか」を小泉首相に質した。小泉首相は、コストがかかっても、事故の再発防止への対応へ真剣に取り組まねばならないとの認識を示した。

 直嶋議員は続いて、列車自動安全装置(ATS)の設置を取り上げ、「対処療法的で、後手後手に回る」国のやり方に疑問を呈した。特に、速度照査機能付きのATSの設置が、三河島駅での鉄道事故の後、民間鉄道事業者には行政指導されたものの、国鉄に対しては30年以上も放置された件について、直嶋議員は「不思議でしようがない」「行政の大問題だ」などと、国の問題意識のあり方を繰り返し質した。北側国交相は、急カーブで列車の速度を制御できる装置の整備が重要との考えを述べた。

 直嶋議員は、類似の事故やトラブルを「いずれ大きな事故が起きる警告と受け止め、予防的な対策を講じること」が重要と改めて指摘。小泉首相は、人命を預かる事業者に「常に大きな責任を担っていると自覚し、人間は過ちを犯すものだという対策」をとるよう求め、人間、企業、政府、制度など、「総合的な対応」を取る必要があるとの認識を示した。直嶋議員は、JR民営化後の国土交通省との関係においては、現場の専門家の意見が事務方に言いづらいなどの問題が生じていないかとの推測を示し、安全性の確保に努めるよう改めて要請して質問を終えた。
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