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2005/06/25
負担増を言う前にやるべきことがある 岡田代表、都内の演説で強調


 岡田克也代表は25日、真夏日となったこの日も、都議選候補応援のために都内各地を駆け回り、民主党への支持を力強く訴えかけた。このうち武蔵野市では、吉祥寺駅前で松下玲子候補とともに街頭演説を行い、「この4年間で何が変わったのか」などと駅前に詰めかけた聴衆に呼びかけるとともに、負担増ばかりを言って、政府のムダ遣いや歳出の効率化に真剣に取り組もうとしない政府・与党の姿勢を、順序が逆だと厳しく批判した。

 岡田代表はこの日、午前中から羽村市・福生市・東大和市・西東京市・小金井市で次々に街頭演説を行う精力的なスケジュールをこなし、夕方に武蔵野市に到着。吉祥寺駅前で、松下玲子候補と合流し、街頭演説を行った。

 岡田代表は、4年前の都議選で小泉首相が「『改革』を連発した」ことを振り返り、「4年間でいったいこの国はどうなったのか、何が変わったのか、どこが良くなったのか」と問いかけ、小泉・自公政権の4年間を「冷静に見直してみる、その時期だ」とした。その上で岡田代表は、「ほとんどの『改革』はできていない」と断じ、その例として、小泉首相が、ムダな高速道路はつくらないことを理由として行った道路公団民営化の問題を取り上げた。

 岡田代表は、形だけの『改革』の結果、「曲がりなりにも分割・民営化」したものの、結局は族議員に押されて、バブル当時の計画のままに高速道路がつくられることになったことを指摘。「何のための民営化か、さっぱり分からなくなった」とし、「何のためか分からない、説明もできない」点で、郵政民営化も同じだと切り捨てた。そして、「(言葉だけ)『改革』した『改革』したと言う、これが小泉スタイルだ」と厳しく指摘し、「いい加減なニセ改革は止めて、本当の改革を」と、民主党への支持を訴えた。

 岡田代表は返す刀で、年金制度の抜本改革の問題への与党側の対応も批判。昨年の参院選での国民の皆さんの声は、強行採決された年金法を「もう1回やり直せ」というものだったことを指摘。そうした国民の皆さんの声を完全に無視する自民・公明両党は、抜本改革をめざした民主党の年金制度改正法案を審議しようともせず、国会での議論でも、「あの強行採決された年金改革が、素晴らしい改革だったとか、思い切った改革だったとか、そういう声しか聞こえてこない」のでは、自公両党には「本当に改革していこうという意思は、ないものと見られても仕方がない」と厳しく指摘した。その上で、持続可能で多様なライフスタイルにも対応するための、年金制度の抜本改革の必要性にも改めて言及した。

 続いて岡田代表は、政府税制調査会が所得税の大きな増税を検討していることが明らかになったことにも触れ、「何らかの形の負担増は、どこかでお願いしなければならない、そういう時期が来る、そのことは率直に申し上げなければならない」としながらも、「増税の前にやることがある」ことを強調。物事には順序があり、負担増を国民の皆さんにお願いする前に、「いかにして政府のムダ遣いをなくし、歳出を効率化していくか」について、まず真剣に取り組んでからの話であるのが「政治の順序だ」として、「順序が全く狂っている」小泉・自公政権の姿勢を厳しく批判した。

 岡田代表は、端的な例として官製談合の問題を特に取り上げ、官製談合をなくすために民主党が提出した法案に与党は賛成しなかったことをまず指摘。その上で、こうした談合事件の裏には、最終的に利益を得る政治家の存在があるのではないかとした岡田代表は、「その仕組みを壊さなければならない」と改めて指摘し、民主党の若手国会議員が、政府のムダ遣いを厳しく指摘して改善させてきたことを紹介するとともに、談合によってつり上げられた価格の負担は結局、国民の皆さんが負うことになるとして、改革の必要性を訴えた。

 岡田代表は最後に、今回の都議選の意義についても触れ、政権交代への第一歩となる選挙であることとともに、「巨大都市東京が、間違った方向にいかないよう、チェックするのが都議会の一番大事な仕事だ」として、石原都政に対して「ここはしっかり変えろと言える民主党にもっと力を」などと訴えかけた。

 演説を終えた岡田代表は、松下候補とともに、詰めかけた聴衆の皆さんに走り寄ってその中に入り、一人ひとりと握手を交わして声をかけ、民主党への更なる支持を呼びかけた。
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