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1999/01/18
民主党定期大会/来賓あいさつの要旨



上から、神崎、土井、小沢、三好の各氏



上から、鷲尾、渡部、江上の各氏
●神崎武法 公明党代表
 「これからも共に戦っていく」

 菅代表からお話のあった千年単位の自然との共生、百年単位での官僚政治からの脱却は、私たちも同じ認識、価値観だ。私たちの関係は「兄弟」。民主党が長男で公明党が次男、やんちゃな次男だが、従う時は従う。最近暴れん坊の三男坊(自由党)が家出したが、当分戻ってこないだろう。残った私たちが仲良く結束しなければならない。自自連立の動きはまったくおかしい。この2ヶ月の動きは結局、自民党への復党のためだったのではないか。 通常国会ではこの点を厳しく追求していく。これからも共に戦っていく所存だ。


●土井たか子・社会民主党党首
 「野党第一党の責任は与党以上に重大」

 昨今の自自連立の動きにより、自民党はこれまでとは異質のものになる。PKF凍結解除、多国籍軍への参加問題、新ガイドラインの問題、議員定数50名削減など、あいまいな解釈であり、憲法への挑戦であり、政治的クーデターであり、少数意見の無視だ。大切なのは、野党がお互いしっかり意見を一致させ、がんばって自自を押さえることだ。先日菅さんから社民党は少々敷居が高いと言われた。これを機に、党と党の話し合いが必要だ。野党第一党の民主党は特に国民から注目されており、与党以上に責任重大だ。私は、頑固6に柔軟4の性格だと思うが、こういう時こそ頑固にがんばる。国民生活に不安のない政治を築きあげよう。


●小沢辰男・改革クラブ代表
 「同士討ちはやめ、協力して戦いたい」

 私は今は小党の党首にすぎないが、2大政党が議論する真の民主国家にしたい、政治改革を先導したいとの思いで、羽田さんたちと自民党を離党した。最近先導者の一人(小沢自由党党首)が離れていったが、ほんとうに驚いた。自由党内での選挙に対する不安がそうさせたのではないか。今こそ野党自身が政権担当能力を持ち、しっかり自民党に対抗するのだという決意が大事だ。率直に言って、今まで同士討ちのところがあったが、これからは協力して戦っていく。不況、行革に真剣に取り組めない自民党は21世紀に残さない。しっかりとした受け皿を作り、真に立派な政治をするのが民主党の努めだ。


●三好正也・経団連参与
 「活力ある政治状況へ努力を」

 21世紀の日本が政治、経済、文化などの分野で再生できるかは、20世紀の最終盤を生きる私たちにかかっている。そのため経団連は血のにじむ努力を重ね、豊田会長の言う「自立、自助、自己責任」の精神も浸透している。 
 
 バブル以降の十数年間を見ると、政治には理念のある政策議論を実現できるリーダーシップが強く求められている。昨夏の参議院選挙の結果、野党の協力なしには法案が成立しない状況が生まれた。野党の責任は重大だ。活力ある政治という意味で、政権担能力のある政党が複数存在する政治状況を期待している。民主党にはその努力を続けてほしい。


●鷲尾悦也・連合会長
 「民主党中心で政権を獲れ」

 注文を述べたい。まず民主党が中心になって政権を獲りに行ってほしい。そのためには21世紀の理想社会のあり方を提示すべきだ。 

 社会の運営原則は第一に、人間愛とヒューマニズムに基づかなければならない。そのため、自助でも公助でもない「共助」の社会システムづくりに挑戦してほしい。

 時に熱が入りすぎることもあるかも知れないが、連合は決してベンチ入りはせず、応援を積極的に行っていく。民主、公明、社民、改革クラブなど政党間でも連立・連携を強固にし、みんなの力で政権を取りに行こう! そのため、党中央組織の確立も急いでほしい。


●渡部恒三・衆議院副議長
 「志をもっと大きく、野党の団結を」

 国民のいまの不満は自分の投票行為が政局に表れないこと。参院選で野党が圧勝し、次の金融国会では菅内閣ができて当然だった。「金融国会ではまあまあやった」ではなく、志をもっと大きくもってほしい。

 明日からの国会では今後10年の日本を考えた真剣な議論を期待したい。野球も僅差が面白い。国会でも息づまる論戦があって初めて、国民の期待に応えることになる。野党が一致協力、心を一つにしてがんばることが緊要だ。国民は55年体制に戻ることではなく、二大政党を望んでいる。それがかなわなければ、日本から民主主義はなくなってしまう。


● 江上節子・産能大学助教授
「量から質へ、マネージャーからリーダーへ」

 私はいくつかの審議会の委員をしているが、その議論は実態から程遠く、行政の利害調整によって、本来のビジョンとはかけ離れた答申や法案ができあがってしまう。

 民主党は自民党と同じ成り立ちではダメ。若手や女性、既存の組織では包括できない人々とともに、高齢社会に向けた難関を突破しいていくべきだ。これからは質だ。国民は質を見抜く目をもっているし、質は量に転換する。最近の政治家を見ているとリーダーではなく、マネージャーのようだ。リーダーはあるべき方向を国民に明確に語ることができる力をもつ。菅さんにも、松沢さんにも真のリーダーになってほしい。
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