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1999/01/27
[衆院予算委]3会派合意を無視した「中央省庁改革大綱」/仙谷議員が財政・金融完全分離の確約を要求  


●不誠実な政府答弁に審議中断

 衆議院予算委員会は27日総括質疑の2巡目に入り、仙谷由人議員が、26日に政府が決定した「中央省庁等改革関連法案大綱」に、自民・民主・平和改革3会派が昨年10月に合意した「財政・金融の完全分離」と「金融行政の一元化」が盛り込まれていないことを受け、予定を変更して急遽質問に立った。

まず仙谷議員は、「自自合意の大臣数削減は盛り込まれ、一方で我々の合意内容を完全に無視している。このままでは現行法より後退する。どういう意図か」と指摘した。これに対し野中官房長官は、「自自合意の内容は大綱に盛り込むことが決まっていた。3会派合意では関連法案を政府提出(閣法)か議員立法(衆法)で出すか、決まっていなかったため盛り込まなかった」と弁明した。

 さらに、仙谷議員が「大蔵省に残された「金融制度の企画・立案」という権限を、現在の大蔵省設置法と新たな財務省設置法には書かないと、今約束できるか」と総理に迫ったが、小渕首相は「3党間の十分な協議で法整備を図ってもらいたい」と述べるばかり。野中長官も「まず閣法か衆法か3会派で確認を」と手続き論を繰り返したため、仙谷議員は「次期通常国会終了までに所要の法律を整備するという文言なら閣法、次期通常国会終了までに必要な法整備を行うなら閣法か衆法かわからないとは言いがかりだ」と質問を止め、審議は一時中断した。

 再開後、野中長官が「対応を確認するよう、自民党の国対委員長を通じて投げかけてあるはずだ」と述べたが、民主党にはこれまで一切申し入れはなく、仙谷議員が「自民党からの正式な話はなかった。私どもは3党派合意について、疑義はないと信じている。当然閣法で処理されるすべきだと考えている。もし懸念の材料があるならば民主党の国対委員長に申し入れたらどうか」とたたみかけ、太田長官は「国対委員長に指示するのは私の役目だった。いずれ間近にそういう機会があると思うので、今後前向きにご検討いただきたい」と陳謝した。

 結局、野中長官は、「4月の省庁設置法案提出までに、政府提出か議員立法かまとめてもらえば、政府として誠意を持って対応する」と述べ、太田長官も「(大綱から必要な文言を)削除することで、3会派の合意内容を体現するものか確認がとれれば、いさぎよく削除する」と明言した。

 最後に仙谷議員は「まだ不安を禁じ得ない。政治不信につながらないようお願いしたい」と質問を締めくくった。
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