ニュース
ニュース
2006/03/14
【参院予算委】若林議員、安保理常任理事国入り問題など質す


 14日、参議院予算委員会の一般質疑が行われ、民主党・新緑風会からトップバッターとして若林秀樹参院議員(『次の内閣』ネクスト経済産業大臣)が質問に立ち、税制の問題、年金問題、国連安保理常任理事国入り問題、政府開発援助(ODA)の実施体制の問題などについて関係閣僚らの認識を問い質した。

 若林議員はまず、たばこ税増税に関し、増税額と小売価格の値上げ分とに差があり、JTの営業活動の後押しの収入になっているのではないかとして谷垣財務相を質したほか、印紙税について、「既に役割は終わっている」として、「新たな形で吸収なり転換が必要」だと訴えた。

 年金の問題についても若林議員は、世代間の不公平が「負担と給付の関係においては生じても仕方ない」という考えなのか、川崎厚労相を質すとともに、国民年金保険料の「納付率が実質下がり続けている」ことを改めて問題視。およそ1兆円の未納が毎年続いていることに関し、放置できない問題だとして厳しく指摘を行った。若林議員は更に、都道府県別の納付率の差についても指摘し、昨年の合計特殊出生率の予測についても川崎厚労相に質問。「感覚として、1.29より下がるだろう」との答弁に対して、相当下がるのではという報道もあるとし、下がっても1.30だとの前提で組み立てられている現行の年金制度に関して、更に出生率が下がってしまう場合、「今後の給付と負担の関係はどうなるのか」、川崎厚労相を質した。川崎厚労相は、当面は制度変更の予定はないなどどした。若林議員は、「実質的に国民年金は破綻している」と断じ、一元化に向けた抜本改革を改めて求めた。

 続いて若林議員は、国際連合の安全保障理事会常任理事国入りの問題に関し、なぜ常任理事国入りに失敗し、何を学んだのかについて麻生外相の認識を質した。その上で、アジア諸国の支持を得られなかったこと、とりわけ中国の反対姿勢について質問。小泉首相の靖国神社参拝問題の影響についても言及しつつ、米国に対する根回し不足についても厳しい指摘を行った。また若林議員は、途上国へのODAが、わが国の常任理事国入りへの説得に寄与したのかどうか、日本の援助が評価につながっているのかどうかについても質した。

 最後に若林議員は、国際協力銀行(JBIC)を国際協力機構(JICA)に統合するといった動きも含め、外務省経済協力局も含めて今後のODAに関わる体制をどうするのか、麻生外相の認識を質した上で、「ある意味、実施機関の一元化は必要だ」としつつ、草の根無償を大使館でやりながら、同様のことをJICAでも行っているなどの実情も指摘。現地でも一体となっての取り組みが必要であると説いた。そして、ODAはわが国外交の「最も重要な外交上のツールだ」とした若林議員は、麻生外相らに対して、国民にしっかりODAの必要性をアピールし、説明責任を果たしていくよう求めて質問を締めくくった。
記事を印刷する