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2006/03/15
【参院予算委】黒岩議員、世代間格差の問題等で関係閣僚質す


 参議院予算委員会は15日昼、一般質疑を続行し、民主党・新緑風会からまず黒岩宇洋参院議員が質問に立った。黒岩議員は、格差拡大の問題、とりわけ世代間格差の問題について、年金、雇用、教育、障害者施策などの観点から質問を展開するなど、関係閣僚の認識を鋭く質した。

 黒岩議員は冒頭、「小泉政権発足して5年間で、様々な格差が露呈している」との認識を示した上で、特に世代間格差が顕著になってきたと指摘。若い世代で生涯の受益が負担を下回るなど、生涯受益格差について問題点を指摘し、与謝野経済財政担当相らを質した。その上で黒岩議員は、年金に関し、1975年生まれの人の生涯の保険料負担額に対する給付額の割合を厚労省と内閣府にそれぞれ質し、厚労省は2.4倍や1.8倍などの数字を出したが、内閣府は年金収益率を0.78倍と答弁。1を超えるかどうかが重要だとして、この数字の大きな差異の原因を黒岩議員は厳しく追及した。

 また、雇用についても黒岩議員は、「若い世代が苦しんでいるのは、安定している雇用がないからだ」とし、世代間格差の大きな要因だとの見方を示した。そして、非正規雇用の割合が上昇し続けているとして、何とか改めていただきたいと川崎厚労相を質した。教育についても、文教科学振興費が対GDP比で下がる一方だとして、子どもが少ないからというのは言い訳にならないとして、関係閣僚らを厳しく追及した。

 続いて黒岩議員は、障害者施策について言及し、内閣府所管の障害者プランの進捗状況を尋ねた。また、東横インによる身障者用スペースの撤去などの問題についてその認識を質し、北側国交相は、「まことに遺憾だ」として徹底した取り組みを行う意向を示した。黒岩議員は、障害年金について、その存在が特に若年層に広まっていないのではないかとして、川崎厚労相の認識を質し、川崎厚労相も「積極的な広報に努める」などとした。黒岩議員は更に、無年金障害者の問題と制度の不備についても鋭く指摘を行った。

 北朝鮮による拉致問題についても黒岩議員は言及し、日朝包括協議への評価を麻生外相、安倍官房長官に質した。安倍官房長官は、「残念ながら進展がなかった」などとした。黒岩議員は、拉致されて亡くなったと北朝鮮が主張する8名の方々がこの間、実際に亡くなってしまう確率は、統計上あり得ない数字だとして、北朝鮮の不誠実な対応に怒りを感じないか、麻生外相、安倍官房長官に質問した。更に、拉致問題特命チームの新組織の取り組みについても言及した上で、最後に、拉致問題の真相解明、問題解決に向けた意気込みを、谷垣財務相、麻生外相、安倍官房長官にそれぞれ確認して質問を締めくくった。
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