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2006/03/15
【参院予算委】誰の負担で不良債権処理できたのか 大塚議員


 参議院予算委員会で金融・証券などの集中審議が行われ、大塚耕平議員が質問に立ち、この十数年の金融・財政政策を総括し、特に金融政策が緩和されたときに、金融不祥事が起きていることを指摘しつつ、ゼロ金利政策による家計の負担によって、政府の不良債権処理政策が進んだと主張。ゼロ金利政策の解除を在任中に解除するよう小泉首相に求めた。特に答弁は求めなかった。

 まず、大塚議員はコンプライアンスの意味を質し、単に法令を遵守すればいいというものでないとの答弁を引き出した。その上で、従来の証券・会社法制が抑制的でヨーロッパ型であったのに対して、橋本内閣以降、特に小泉内閣以降にアメリカ型の最大自由を目指すようになっていると指摘。そうであるならば、罰則も最大にすべきだと主張した。与謝野金融担当大臣は、「最大で懲役10年の罰則とした」と答えた。また、首相は「罰則は然るべき。犯罪から利益を生まない」ということが基本と答えた。

 大塚議員はプラザ合意以降の、公定歩合、株価、財政赤字、金融・財政政策、金融不祥事の一覧を示し、金融緩和をし過ぎると不祥事が起きやすいことを指摘した。その上で首相に感想を求めた。首相は「非常時には非常識な政策を採っても経済を正常化しなければならない」と答えた。大塚議員は、この正常化しなければとの発言を取り上げ、現状の経済の認識を質した。首相は「まだまだ正常化にはほど遠い」と答えた。

 大塚議員は同感だとして、この間の政策が結果として財政赤字を拡大してきたとして、この輪廻を断ち切ることが本当の構造改革だと主張した。その上で「経済疲弊の最大原因は財政赤字。これは今の世代の政治家の責任。誰の負担で不良債権処理が進んだのか」と質した。さらに、大塚議員は91年の金利水準では、家計が受け取るべき金利収入は304兆円、93年基準では15年間で180兆円であることを示し、政府が公的資金として銀行に投入した額と93年基準では同額になるとした。首相は「物事には両面性がある。両面をみなければない」と答えた。

 最後に大塚議員は、日銀の量的金融緩和政策解除に触れ、ゼロ金利からの脱却に見通しを質した。武藤日銀副総裁は「物価上昇が2%を超えるまでゼロ金利という趣旨ではない」と答えた。 
 
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