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2006/03/15
【参院予算委】櫻井議員、ライブドア株時間外取引きの是非を議論


 参議院予算委員会で15日午後、一般質疑が行われ、民主党・新緑風会の櫻井充議員が黒岩宇洋、犬塚直史両議員に続いて質問に立ち、ライブドア事件をめぐるニッポン放送株取得の時間外取引きの是非、同族会社の役員給与の損金不参入の問題、竹中総務大臣の構造改革を後押しする集団される有限責任中間法人トリガーラボの問題等について、小泉首相はじめ竹中総務大臣らに質した。
 
 櫻井議員はライブドア事件に関して、ライブドアの経営実態をもっと早期に発見できれば被害をここまで拡大させずに済んだのではないかとの認識のもと、まずライブドアが時間外取引でニッポン放送株を取得した時の経緯を取り上げた。当時の金融担当相であった伊藤大臣が「この取引きは問題ない」と言及したことを櫻井議員は問題視し、係争中であり、個別の案件であるにもかかわらず、伊藤金融担当相のそうしたコメントが早期発見を遅らせる結果となったのではないかと指摘。明言した理由を質したのに対して与謝野経済財政・金融担当相は「一般的な法解釈を述べたもの」などとしたが、櫻井議員はこの時点できちんと対処していればこれだけの被害拡大に至らなかったとの認識を示し、「政治上問題とすべき過度な株式の分割などの脱法行為を防止すれば被害は拡大しなかった」と重ねて主張した。

 同時に、ライブドア事件では投資事業組合を介在させて自社株を売り抜けるなど、粉飾決算の背景にある投資事業組合に言及した櫻井議員は、規制しにくいその実態を指摘。悪用防止に向けた制度改正の必要性を浮き彫りにして与謝野経済財政・金融担当相か法改正を求めた。その上で櫻井議員は「海外などにファンドをつくられたら、それを追いかけるのは難しい。現在の証券取引法の改正だけでなく、税制も合わせて企業そのものがどういう活動をしているかを押さえ込んでいかないと問題は解決しない」と問題提起した。

 櫻井議員は続いて、「格差社会が広がっているという指摘があるが、その視点で税制を見ると問題がある」としたうえで、中小企業における同族会社の役員給与が損金に参入できなくなる問題に言及。大企業の場合は損金に参入することができて、中小企業に法人税を課税することになる点について、「税逃れをやっていた人を防ぐための法改正は必要だが、普通にまじめにやってきた人にまで網をかけるのは問題」と指摘した。同時に、定率減税廃止などサラリーマンの不公平感が高まる一方の税制のあり方を問題視し、「税の公平性」という観点で税制を見直すよう谷垣財務相に注文をつけた。

 また、竹中総務相の構造改革を後押しする集団される有限責任中間法人トリガーラボの問題も取り上げた櫻井議員は、同法人のホームページに「構造改革を後押しする集団として研究所が設立された」「竹中大臣の理想を実現するための組織、通称竹中平蔵研究所」などと書かれていること指摘。こうした表記から判断すると同法人の活動は政治活動であり、政治団体と判断できることを櫻井議員は浮き彫りにした。「ご自身の政治活動でないと主張するが、われわれだってこうした団体をつくればお金の流れを不透明にすることは簡単だ」「個人事業社をつくって節税対策をするのと同じようなことになる」などと述べた櫻井議員は、中間法人を介在にして政治資金の流れがあいまいになることを重ねて指摘。「所管大臣としてはこうした活動をすることはいかがなものか」と重ねて語り、政治資金規正法の形骸化を防ぐために法改正が必要との見方を示した。
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