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1999/02/12
「東京浪漫革命」をめざす 鳩山邦夫副代表が都知事選立候補を正式表明
民主党の鳩山邦夫副代表は12日、東京都庁で記者会見を行い、「限りなく便利になった大東京では、物質的な豊かさと反比例するようにストレスが増加し、ふるさと感やしあわせ感が希薄になっている。こよなく愛する東京をいま大転換させるために人生を捧げようと、青臭く、愚直に決断した」と述べ、東京都知事選挙への立候補を正式に表明した。

 会場には100人をこえる報道陣が詰めかけて外の寒さがウソのような熱気につつまれ、夫人のエミリさんも会見を見守った。

 鳩山副代表は政策の柱も発表。大目標として「安らぎのある東京、夢とロマンをもって人々が生きていける東京をつくっていきたい。いわば"東京浪漫革命"をめざしたい」として、@自然の復元・高度循環型社会Aスリムな都政をめざす行財政改革B地方財政制度の見直しC社会のしわ寄せの解消D徹底した地域社会重視など、9本の柱を列挙。

 具体策として、地方財政制度の見直しに関連して「国から地方への権限の委譲ではなく、今後は地方が権限を奪っていく"地方奪権"が必要ではないか。浅野宮城県知事や橋本高知県知事とも連携し、本当の地方自治をめざしたい」と地方分権の実現に力を入れる考えを表明。また、「政治の最大の任務は弱い人やハンディキャップをもつ人を助けること」と述べ、バリアフリーな東京づくりや保育サービスの充実などを挙げた。

 民主党との関係については「本来、知事に政党色はあってはならないと考えている。その筋は守るべきであり、現時点で民主党の推薦は求めていない。しかし、応援をいただきやすい環境づくりは真剣に考えていきたい」と述べた。


【鳩山さんの立候補決意表明】(全文)

 環境破壊のくり返しの中で、草っ原が消え、里山も削られ、植物、小動物、鳥、魚、昆虫を含む生態系が悲鳴を上げています。そして限りなく便利な大東京は、限りなく住み心地の良くないものとなりつつあり、物質的な豊かさと反比例するように、ストレスが増加し、ふるさと感やしあわせ感が希薄になってきています。このままいけば、息苦しさの中で悲鳴を上げるのは、都民の方かもしれません。

 私はこよなく愛する東京の、そんな惨めな姿を見るにしのぴず、今、東京を大転換させるべきとの痛切な思いをたずさえ、あえてここに東京都知事選挙へ立候補することを決意いたしました。

 国政に参画すること22年、そこで培った、絶対に癒着や腐敗を許さぬという改革の魂を、今、都政にぶつけてみたいと考えます。

 政治や行政は、強きを助けてはならず、弱い者やハンディキャップを負った方々や生活に苦しむ人々を助けるためにあるとの信念は、祖父・一郎がクーデンホフ・カレルギー氏から友愛の精神を学んで以来、私たちも受け継いでまいりました。そして、正直者が馬鹿をみないですむ世の中を、1200万都民のひとりひとりが、ロマンと希望をもって将来を見つめていける東京都を作る為、懸命に汗をかく決意です。

 自分自身、はなはだ未熟であることは自覚しておりますし、欠点も山ほどありますが、少年のように純心な正義感のみが、私のとりえだと思っています。

 大東京の大転換の為に人生をささげようと青くさく、愚直に決断した私に、皆さまの深いご理解をたまわりますようお願いし、都知事選立候補の決意表明といたします。
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