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2005/07/01
年金制度の基本的欠陥に手もつけない小泉政治は許し難い 藤井代行


藤井裕久代表代行は1日も、都内各地で街頭演説を行い、権力は必ず腐敗する、との持論を力強く展開して小泉政権の腐敗ぶりを厳しく指摘し、働く人が犠牲になってしまう今の社会を変えよう、などと力強く呼びかけた。

 藤井代表代行はまず品川区の大井町駅前で、松原仁衆議院議員、かみの吉弘候補らとともにマイクを握った。藤井代表代行は冒頭、イギリスを例に、「権力は必ず腐敗するという前提の中で、二大政党的な体制を早くから確立」していることを紹介し、わが国においても、その態勢ができつつあるとして、「皆さま方のご期待に、非常に大きな責任を感じている」と述べた。

 その上で、「惰性に流れて、世の中の方々の気持ち・立場とだんだん距離が開いていく。そして、開いた距離が分からなくなってしまうのが、権力の腐敗の典型例だ」と指摘した藤井代表代行は、年金改革の問題に言及。自公両党が、「100年安心の年金制度をつくり上げたと言っている」が、「基本的な欠陥がある」のに「何ら手をつけていない」ことを厳しく指摘した。

 藤井代表代行は、人口構成が全く変わったことを取り上げ、「年金の額を切るか保険料を上げるか、その両方をやっている」と批判。「今、年金をいただいている方は、敗戦のゼロの中からこの社会をつくり直した方々だ」とし、「約束したものを毎年切っていることは許し難い」とした。そして、国民年金保険料の4割未納問題にも触れ、民主党が「新しい年金制度をつくるということをずっと前から提言している」ことを紹介。最低保障部分は税金で、その上に所得比例年金を、といった内容を分かりやすく解説した。

 年金制度の一元化についても、「どんな職場で働いていようと、どんな働く形態をとろうと、同じ年金の仕組みにしなければいけないということで、これは正しいこと」だ、と藤井代表代行は指摘。これに対して小泉首相が、「国会議員だけは別だということを言っている」ことを取り上げて、「これが果たして政治か、ということだ」とし、「自分は別だと言いながら、人にだけは色々なことを要求するというのは、許し難いことだ」と述べて、「こうことをやっているのが小泉政治であるということを、申し上げなければならない」と厳しい批判を加えた。

 積立金の問題に関しても、そのムダ遣いぶりを民主党の若手議員が厳しい追及を繰り広げていることを、藤井代表代行は紹介し、200兆円のお金を、「いいことに使っているならまだいいが、悪いことに使っている」として、国民の皆さんが「保険料を納めるお気持ちと、全然違うことをやっている」と社会保険庁のムダ遣いなどを批判。「間違ったことをやって、100年安心と言っている」ことを、「これが政治の腐敗だ」と断じた。

 経済の現状についても藤井代表代行は、「今、経済が良くなっているというが、ウソだ」として、「一部の企業が良いのは事実かもしれないが、それは働く人の犠牲と、関連中小企業の負担において、これが行われている」との見方を述べ、「働く人を、今の経済のあり方でいじめているのみならず、そこにまた、抜き打ち的に大増税をやろうとしている」と指摘し、「これが自由民主党だ。こういうことを許してはいけない」と批判。「働く人が犠牲になってしまうというこの社会を直すために」、民主党への支持を力強く訴えかけて、演説を締めくくった。

 この後、藤井代表代行は、世田谷区の尾山台駅前でも、小宮山洋子(『次の内閣』ネクスト男女共同参画担当/人権・消費者問題担当/子ども政策担当大臣)・樽床伸二(党団体交流委員長)両衆議院議員、山口拓候補らと街頭演説を行った。小宮山議員と樽床議員もマイクを握り、「子どもたちにツケ回しをしない」、「国民の皆さんのために、税金のムダ遣いを止める」政治の実現を訴え、民主党への支持を呼びかけた。

 藤井代表代行は更に大田区に移動し、大森駅前で地元の宇佐美登衆院議員、岡崎幸夫候補らとマイクを握って、行き交う多くの人々に、民主党への更なる支持を訴えかけた。藤井代表代行はこの中で、特に「年金(保険料)もそうだが、上げることばかりしか考えていない」と激しい口調で政府・与党の姿勢を批判。「基礎的な社会保障が安定して、初めて日本の社会は安定するという、政治の原点を全く無視」し、「年金は切る、年金の保険料は上げる、医療保険の保険料も国民健康保険をはじめとして上げる、そして介護保険の保険料も上げる。これでは社会が安定するはずはない」と断言。その「原点にあるのは、権力を握っている政治家の腐敗からきている」と厳しく指摘をして、演説を締めくくった。
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