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2006/03/16
【参院本会議】小林議員、公聴会で格差拡大、地方財政など質問


 16日午前、参院予算委員会において公聴会の「財政・経済」の部が開かれ、小林正夫参院議員が土居丈朗慶応義塾大学経済学部助教授および橘木俊詔京都大学大学院経済学研究科教授の両公述人に対して、格差拡大や地方財政などについて質問を行った。

 土居助教授は財政赤字問題、地方財政と国家財政の関係について、橘木教授は日本の経済・財政運営にかかる二つの対立する考え方、日本社会の格差拡大について、それぞれ公述した。

 小林議員は、橘木教授に対して、日本の目指すべき社会および日本社会がアメリカ型社会を目指すことの是非について質問した。橘木教授は、日本は貧困者のいない社会であり、同時に頑張った人・能力のある人がある程度高い所得を得られる社会を目指すべきであるとし、アメリカ型を目指すのかヨーロッパ型を目指すのかは国民の判断であり、政治家は国民に向かって問うべきであり、国民はそれで政治家を選ぶべきだと答えた。

 小林議員は、土居助教授に対して、貿易立国であることを踏まえつつ、どういう国であるべきかを質問した。土居助教授は、活力が高まっている地域ほどグローバル化の中で生きているとしつつ、貿易立国の中で比較優位の原則を頭において各地域が頑張るべきだと答えた。

 小林議員は、橘木教授に対して、自らが団塊の世代であることを示しつつ、高齢化社会のあり方と世代間の所得格差は高齢化が原因であると言う説について質問した。橘木教授は、今後の日本の労働力不足を補うためには高齢者の雇用の場を確保すべきであり、所得格差の原因が高齢化という説に対しては、それならば高齢者の格差が拡大していると言えると反論した。

 小林議員は、土居助教授に対して、高齢化社会のあり方、少子化の原因と対策を質問した。土居助教授は、高齢者については無給で社会に貢献するという道もあると答えた。また、少子化についての特効薬はないとしつつ、家庭を作りやすい環境を整備することが必要だとし、そのためには拘束時間が長い正規若年労働者と拘束時間が長くない非正規若年労働者の間で仕事を再配分して自由な時間を増やすことも一方法だと答えた。

 小林議員は最後に、橘木教授に対し、企業の雇用に関する姿勢を質問した。橘木教授は、企業は景気が回復しても新卒者しか雇用しないことが問題であると指摘し、企業がフリーターを雇わないのは未熟練労働者が多いからだと考えられるので、イギリスのブレア政権が行ったように公的部門による教育訓練が重要であると答えた。
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