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1999/02/22
「年金制度への政府の認識の甘さ」突く 今井 澄参議院議員が質問


角田議員の関連質疑に立った今井澄議員はまず、本年度予算案について、景気回復を言いつつ、実は消費にマイナス影響を与える「特別減税打ち切り」を行ったと政府の施策矛盾を追及した。小渕首相は「景気への影響は否定できないが、税制全体を考えると何もしないわけにいかない」とし、宮沢大蔵大臣も「増税ではない。元の税体系に戻っただけ」と景気への影響に対して責任ある答弁はされなかった。

 所得税に関連して今井議員は、日本銀行に対する国税庁の査察を例に、高額所得者のフリンジ・ベネフィット(現金給与以外に得ている付加給付)に対する税の捕捉強化、および総合課税導入について政府の対応をただした。

 宮沢大蔵大臣は「現実の税務行政で対応できるか問題もあるが、自民党の税制調査会でも総合課税の導入をとの意見が多数ある。フリンジ・ベネフィットについても捕捉できるものは行う」と一見前向きな答弁。今井議員は「それなら大企業の役員に対する捕捉もきちっとやってください」と有言不実行に終わらないよう、釘をさした。

 今井議員はさらに、社会保障制度に対する国民の不安がますます増大している中で、政府は「逃げの姿勢」をとっていないか、と社会保障の将来への見通しを問いただした。宮下厚生大臣は「支給最低額は物価スライドにより現行水準を維持する」としたものの、財源(保険料)確保と年金支給の安定化の方途に対してはあいまいな見解しか示されなかった。

 今井議員は「低所得者は保険料免除だが、支給が1/3に減らされる。他の先進国のように『福祉目的税』化で安定財源を確保すべき。総理ももっと関心をもってもらいたい」と基礎年金の崩壊に対する政府の認識の甘さに危惧を示した。
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