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2006/03/17
【参院本会議】犬塚議員、在日米軍駐留経費問題などに関し質問


 17日午前、参議院本会議が開かれ、在日米軍駐留経費特別協定をめぐって、民主党・新緑風会から犬塚直史参院議員が質問に立った。犬塚議員は、同協定の問題点を指摘しつつ、その背景にある日本外交の種々の問題点を、鋭く関係閣僚に問い質した。

 同協定による思いやり予算について、犬塚議員はまず、日本の納税者にとっても、何が思いやりなのかよく分からない予算だと断じ、在日米軍駐留経費のわが国の負担割合についても、日本側と米国側の資料で51%と75%という大きな差異が出ていることを問題視し、麻生外相を厳しく質した。そして世界有数の防衛予算をもつわが国が、駐留なき防衛を検討する余地はないのかを質しつつ、自衛隊が現在保有している数々の装備について、わが国の置かれている現状に即したものなのかどうか、額賀防衛庁長官を質した。

 また犬塚議員は、9.11は「決して許されない未曾有の犯罪だ」と厳しく指摘しつつ、テロを戦争とすべきなのかを質し、テロとの戦いを国際法の下に置き、テロの定義を急ぐべきではないかと指摘。日米同盟を国連中心外交に資する形で変化させる意志の有無に加え、先のイラク戦争のような米国による国連決議なき先制攻撃に今後どう対応していくかについても、麻生外相の見解を質した。麻生外相は、「米国が、国際法上の権利・義務に合致して行動するのは当然」などとした。

 続いて、「開かれた国益を追求し、戦略的な政府開発援助(ODA)の活用を図る」観点から、国際法益の発展が国内法益につながっている実例を示し、その意義を「有権者と共有するのは政治の仕事だ」とした犬塚議員は、国民へどのような説明を行っていくかも質問。麻生外相は、国際貢献の必要性などについて、「率先して説明を行ってまいりたい」などと答弁した。

 更に、ICC国際刑事裁判所条約の早期締結が法の支配の確立に大きく貢献することになるとした犬塚議員は、その取り組みを麻生外相に質すとともに、「岩国市の住民投票の結果は、基地負担の問題であると同時に、日本防衛に関わる戦略と理念の欠如の問題であることは明らか」だとして、同盟強化がわが国の国益にどうつながるか、ビジョンを示すよう迫った。

 最後に犬塚議員は、米軍再編に日本の政策位置が見えないことを、「シビリアン・コントロールではなく、セビロアン・コントロールだ」などと厳しく指摘するとともに、「市場原理と日米関係を利用することによって、国内外を問わず格差に対処することこそが日本政治の仕事であり、ひいては自国の防衛と地域の安全保障につながる道だ」と強調し、政権交代を通じてこうした政治を実現するのは民主党だと述べて質問を締めくくった。
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