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2005/07/04
【衆院郵政特】五十嵐議員、政府広報問題で竹中大臣を再追及


衆議院郵政民営化に関する特別委員会は4日午後、締めくくり総括質疑を実施し、民主党・無所属クラブからトップバッターとして五十嵐文彦衆院議員(『次の内閣』ネクスト総務大臣)が質問に立ち、郵政事業の経営形態のあり方や政府広報随意契約などについて、小泉首相はじめ関係大臣に質した。

 五十嵐議員は冒頭、3日投開票の東京都議会議員選挙について触れ、民主党が議席を伸ばし、自民党が議席を減らした結果を、「権力を持つ者として謙虚に受け止めるべき」だと求めた。これに対して小泉首相は、「都議選は国政とは別で、郵政民営化が是か非かという選挙ではない」などと述べ、民意が郵政民営化に反対であるとの考えを否定した。

 五十嵐議員はまた、「一律に『官から民へ』というキャッチフレーズで全部押し切るのはおかしい」と改めて指摘し、「金融の資金の歪みということについては、何ら経営形態と関係ない」と質した。竹中郵政民営化担当大臣は「重要な政策手段の選択であるとの考えに基づき、新しい工夫と制度設計をして法案を提出している」などと答弁。五十嵐議員は、「民間化すれば入口論が解決する」などとする竹中大臣と、資金の運用についても議論をたたかわせ、「どこから民間に任せるか」という「官の仕事の範囲」の議論をまず先に行うべきと改めて主張。民営化が先で政府系金融のあり方は後から検討するというのでは、本末転倒で話が違うと批判した。

 過疎地域における郵便局の設置について五十嵐議員は、法律上は設置基準を守らせる方法はなく、生産性の高くないところに社会・地域貢献基金などを配るのは、民間の論理ではないと指摘した。これに対して竹中大臣は、「ネットワーク」の価値に対して手数料を支払うことは、経済的合理性に反しないと答弁した。

 続いて五十嵐議員は、竹中大臣の政務秘書官の知人が経営する会社に、郵政民営化に関する政府広報の折込チラシが随意契約で発注された件を取り上げた。五十嵐議員は、2月初めの予算委員会の前にチラシを配るべきという主観的な理由には、何ら緊急性がなく、インフォメーショングラフィクスというありふれた手法に独創性がある訳でもないと指摘。見積書の内容などからも、スリード社との契約が適切であったか疑わしいとの見解を示した五十嵐議員は、この問題は「水増し請求」で不当な利得をもたらし得る大疑惑で、第二の内閣機密費だと追及。「これを理由に随意契約ができるのならば、すべての政府支出は随意契約できてしまうことになる」として、政府の見解を質した。細田官房長官は「基本的には競争による発注が望ましいが、緊急性で随意契約となる例もあり、今後の方向としては、政府広報予算の執行・契約については、十分注意すべきは当然」などと答弁した。

 五十嵐議員は、無理にスリード社に受注させようとした理由について、明確な答弁を求めたが、竹中大臣は「政務秘書官とスリード社の経営者は、面識はあるが何らの利害関係もない」などと従来の答弁を繰り返した。五十嵐議員は「効率的な税金の使い方をしようといいながら、このような疑惑がある人に改革はできない」と指摘し、国民の大事な税金を無駄にしない観点から改革を行うため、襟を正す必要があるとの見解を示した。

 五十嵐議員はこのほか、金融機関に対する他業禁止の規制が外されてコングロマリット化を招く懸念や、民営化後の会社が連結決算や連結納税を取り入れる見込みなどについて質した。
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