2006/03/24
【参院予算委】犬塚議員、カネミ油症事件について質問
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24日午後の参議院予算委員会で、犬塚直史議員は、13日に引き続き、カネミ油症問題を取り上げて質問を行った。
犬塚議員は冒頭、13日の委員会で、調査資料が残っているかについて再調査する意向を示した川崎厚生労働大臣に対して、進捗状況を質問した。川崎厚生労働大臣は、省内で新たに見つかった資料は1件であるとした上で、関係自治体に対しても月内に回答を求めていると答弁。「しっかりした確認作業を行うように指示をしている。裁判関係の資料についても重ねて調べさせている」と語った。
犬塚議員は、カネミ油症事件について、未曾有の食中毒事件にもかかわらず、公表された公的資料が極めて少ない異常事態が38年間続いてきたと改めて指摘。各都道府県知事から当時の厚生省に届いた県ごとのまとめ、それを踏まえた最終報告書がなければ、将来の予防措置のあり方について教訓が得られず極めて問題との認識を示した。川崎大臣は、とりまとめが行われたことは間違いないが、しっかりした文書が作成されたかについては、まだ判断材料を持っていないと答弁した。
犬塚議員は委員長に「食品衛生法第58条で義務付けられている都道府県知事からの本件に対する報告書、および食中毒処理要領に基づき厚生労働省に完備保存が求められている調査票などの統計報告、また速報など諸報告一切の提出、最終報告書の提出を求める」と表明し、理事会で協議されることになった。
未認定の食中毒患者を1万人以上も出した問題の原点は、通常行政が行うべき食中毒事件の処理を、「奇病」として大学に診断基準の作成を委ねたことにあると犬塚議員は改めて指摘し、「法的な根拠が無い、疫学上・食品衛生上も問題がある診断の内容があった。精査すべきでないか」と、行政の見解を追及した。川崎大臣は答弁で、九州大学関係者による科学的知見には誤りが無いという立場を取っているとした。犬塚議員は、救済が得られていない未認定患者が1万人いるという事実を重く受け止め、問題の解決を強く求めると表明して質問を締めくくった。
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