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2006/03/24
【参院予算委】前田議員、地球温暖化問題などで議論展開


 参議院予算委員会は24日午前も一般質疑を行い、民主党・新緑風会からは前田武志参議院議員(参院副会長)が質問に立った。前田議員は地球温暖化への取り組みや森林の違法伐採問題、高松塚古墳の壁画劣化の問題などについて、政府の見解を丁寧に質した。

 前田議員はまず、環境問題への取り組みについて取り上げ、地球温暖化問題に関して、昨年のグレンイーグルズサミットの成果やわが国のイニシャティブについて尋ねた。また地球環境国際議員連盟(GLOBE)の活動や、CO2の排出権取引についても環境省の見解を質した。また、わが国の自然エネルギーの活用や排出権取引に関しての取り組みが遅れているのではないかとの指摘に対しては、二階経産相が「しっかりした取り組みを行ってまいりたい」などと答弁した。前田議員はバイオマスエネルギーの活用にも詳細に言及。中川農水相も、「農産漁村の振興のためにも、これからますます重要になってくる」としてその取り組みを説明した。前田議員は、バイオマスエネルギーの導入が、「農山村再生の決め手となる」として、更なる積極的な取り組みを求めた。

 続いて違法伐採問題について前田議員は取り上げた。前田議員は、グレンイーグルズサミットでの違法伐採対策の合意事項やわが国の取り組みを質しつつ、国有林の中の天然林で、「後世に残すべき生態系」があるにも関わらず、貴重な木々を伐採し続けている点について、北海道の例なども取り上げながら「こんなことは止めたらどうか」と中川農水相に迫った。更に、興福寺修復にも外材が使われるような現状に前田議員は危惧の念を示し、こうしたことにこそ国有林の貴重な木材を活用すべきであるとして、国の対応を質した。

 そして、「木の文化をしっかり支えていくには、国民が住宅等で木を使うことが重要だ」として、国産材の利用についても前田議員は指摘。北側国交相も、「森をしっかり守っていくのが原点」だとして、「森林を守っていくのは国策だ」などと応じた。前田議員は、林野庁が環境省とともに森林レンジャーとして国有林保全に取り組むべきだなどと、鋭い提言を行った。

 高松塚古墳の壁画が劣化している問題についても前田議員は、文化庁に対して現状や劣化対策を厳しく質した。そして平成16年に出版された写真集で初めて劣化が判明したという経緯を指摘し、「責任の所在をしっかりと噛みしめて、再スタートをしなければまた同じ轍を踏む」として、小坂文科相の見解を厳しく質し、質問を締めくくった。
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