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2006/03/24
効率的で人に温かい政府めざす 前原代表、静岡市内で講演
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前原誠司代表は24日夜、静岡県静岡市を訪れ、講演を行った。この中で前原代表は、いわゆるメール問題で改めて陳謝し、小泉政権5年間で「改革」という名の下に実は政官業の癒着の構造が残っていることなどを具体的に指摘し、反転攻勢をめざす民主党への支持を呼びかけた。
講演では榛葉賀津也参議院議員(参議院国会対策委員長代理)がまず挨拶。光の当たらないところにどうやって温かい政治の光をあてるか、努力すれば報われるようなシステムをどうつくっていくか、といった民主党の原点を振り返り、「今まさに民主党自身が試されている」として党の置かれた厳しい現状に言及した。そして、国会の場で「ひたむきに真面目に、しっかりと職責をこなしていく」との決意を力強く訴えた。
続いて、会場に駆けつけた前原代表が講演を行った。前原代表はまず、いわゆるメール問題についての対応について、改めて陳謝し、衆議院懲罰委員会での永田寿康議員の質疑に言及。今後、情報仲介者の証人喚問にも応じ、真相究明のための真摯な努力を通じて、国民の皆さんに「ご理解いただく一つのきっかけとさせていただきたい」などと述べた。
また前原代表は、小泉政権5年間の評価について触れ、「単なる小さな政府路線には与しない」と改めて強調。「効率的で人に温かい政府」こそが、「民主党がめざすべき政府のあり方」だと指摘した。そして、徹底してムダをなくすことには賛成だが、それができていないのに、「改革」という看板を掲げていることに、「大きな欺瞞性を感じる」と厳しく批判。
特に官製談合の問題を取り上げて、官製談合の問題は防衛施設庁の問題だけではないと指摘しつつ、民主党が依頼した予備的調査の結果なども紹介し、OBの天下りを受け入れた企業に、優先的に発注を行うといった政官業の癒着関係を厳しい口調で批判した。そして、小泉政権の「改革」という名の下に、この政治が今も続いているとして、「本当にこれを野放しにしていていいのか」と訴えかけた。
また今国会で審議される行政改革推進法案についても、「中身はほとんど言っていいくらい、ない」と前原代表は酷評。いわゆる三位一体改革についても、「何も評価できない」とし、地方でも本当に評価している方はどれだけいるというのかとして、格差がより広がり、再分配機能を壊してしまっていることに強い危惧の念を示した。
特別会計の問題についても、かつての塩川財務相の言葉をもじり、母屋でおかゆをすすって、離れですき焼きを食べているのがばれて、今や離れに地下室をつくって、そこでフルコースを食べているとして、官僚によるムダづかいを批判。こうしたことが、「『改革』を唱えている小泉政権の実態だ」とした。
前原代表は更に、少子化問題も、エネルギー問題も、食料自給率問題も、自民党政権の国家戦略の無さが招いたものだと指摘。その一方で、社会保障の切り捨てが進んでいるとして、昨年成立してしまった障害者自立支援法や医療制度改革についても厳しい見方を示した。特に医療制度改革に関しては、診療報酬の引き下げに固執する小泉首相の姿勢の裏で、小児科や産科、救急医療に携わる医師の数が絶対的に不足している事例などを具体的に取り上げて、強い危機感を示した。
最後に前原代表は、メール問題で民主党への信頼はそがれ、それは全て私の責任だとしつつ、今の自民党政治の延長線上に安心できる将来が描けないのであれば、是非民主党を叱咤激励し、育てていただきたいと呼びかけ、講演を締めくくった。
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