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2006/03/27
【参院予算委】小川勝也議員、安全の観点から米国産牛肉問題質す
 27日午前、参院予算委員会の集中審議において、小川勝也参院議員(党遊説局長)が、国民の食の安全の観点から米国産牛肉輸入の再度の再開問題について、政府の姿勢を質した。

 質問の冒頭に小川議員は、川崎厚労相と中川農水相に対して現在の屠畜体制が安全であると言えるかどうか質問した。厚労相も農水相も抽象的な答弁を行うのみであった。小川議員は、ブッシュ政権の選挙対策などの背景を指摘し、今回の米国産牛肉の輸入再開は食の安全と外交の安全の両者の中で、政治の方を優先したのではないかと疑問を提起した。

 小川議員は、輸入牛肉の中に脊柱が混入していることによる輸入再禁止によって、かえって大きな外交問題を背負ってしまったと指摘した。これに関して麻生外相は、日米合意の内容が履行されるのは当然であり、日米双方の理解が必要であると述べた。この答弁に対して小川議員は、日本では安全を確保する体制が作り上げられているが、米国では安全の認識は乏しく、この問題を政治問題であると捉えていて、これで日米は理解しあえていたのかと迫った。麻生外相は、いずれとも言いがたいとの曖昧な答弁を行った。

 小川議員は、米国産牛肉のリスク評価を見直すべきではないかと質したが、松田食品安全担当相はリスク評価を見直す段階ではないと答弁し、寺田食品安全委員会委員長は今回の問題はリスク評価ではなくリスク管理の問題であると答弁した。小川議員は、リスク管理の前提が崩れていることを指摘し、リスク評価の問題を提起した。

 小川議員は、米国産牛肉の輸入を拒否しようとしているのではないと前置きしつつ、日米の検査体制の違いを指摘し、小泉首相の見解を質した。首相は、米国では自然交配が多いことを例に挙げて、畜産に対する日米の捉え方の違いを認めた。小川議員は、中途半端な輸入再開は米国の輸出業者のためにもならないとし、米国で全頭検査を行おうとして妨害にあっているクリーク・ストーン社の例を挙げて、米国においてもさらに徹底した検査が行える可能性を示唆した。これに対して中川農水相は、全頭検査を行うのは自由であるが、所定の検査が行われれば問題はなく、今後の日米事務協議も検査方法を定めたEVプログラムを変えるものではないと答弁した。

 小川議員は、米国における屠殺場の労働力の質の問題に言及し、いくらプログラムを作っても意味がないのではないかと疑問を提起した。そして、自由主義経済を守るためには、小さな政府に囚われず、監視・検査をしっかり行う必要があると主張し、食品検査の体制の充実を訴えた。これに対して、中川農水相および川崎厚労相はその必要性を認める答弁を行った。

 小川議員は最後に、安全性が実感できる食生活のためには食料の自給率の向上が必要であると訴え、民主党が農政の転換を図る法案を提案していることを強調した。
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