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1999/03/08
[参院予算委集中審議]外国艦船の非核証明書「政府見解とズレ?」/齋藤勁議員
参議院予算委員会は8日、外交・安全保障をテーマにした集中審議を行い、齋藤勁議員が質問に立った。

 齋藤議員は高知県による外国艦船入港に際する非核証明書提出の義務化について、中曽根元首相の「地方自治の本旨をそれはそれとして理解する。国がとやかく言うのは差し控えた方がいい」旨の国会答弁(84年3月)の存在を指摘。そして、閣僚による「好ましくない」「国の外交・防衛の妨げになる」「地方の役割逸脱」などの発言は、「政府見解の変更にあたる」と追及した。

 高村外相は「従来通り、外国艦船の入港に対してはあくまで港湾管理者としての権限にとどまる。従って高知県の動きは権限逸脱だ」と答弁。小渕首相は「86年10月に中曽根元総理はこの問題について、外交・国防は中央政府の専管事項との答弁を行った。私はこの答弁を踏まえて従来通りの立場を取っている」と、解釈の変更はないとの立場を取った。

 これに対して齋藤議員は納得せず、審議は断続的に中断した。再開後、野中官房長官が「当時と状況は変わらない。日本国憲法73条で内閣の職務として 『外交関係の処理』が規定されている。一方地方自治法の規定もあり、港湾管理者としての立場は認めるが、外交・防衛については国固有の事務である」と補足答弁。

 齋藤議員は「結局、国に非核証明書を要求できないのか」と再び追及。高村外相は「入港を認める認めないを判断するための照会なら許されない」としたため、齋藤議員は「国がとやかく言っているではないか」と三度目の質疑中断。最後まですれ違いのまま審議を終了した
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