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2005/07/14
「民主党単独政権目指す」岡田代表、駐日イタリア大使との会談で


岡田克也代表は14日、マリオ・ボーヴァ駐日イタリア大使の要請を受けて国会内で会談。民主党からは北橋健治役員室長、井上和雄国際局副局長が同席した。

 ボーヴァ大使は冒頭、イタリア野党第一党の左翼民主主義者(左翼民主党)のピエロ・ファシノ書記長が9月初めに来日する際、ぜひ会談の機会を持ってほしいと要請。岡田代表は「日程が合えばぜひお会いしたい。書記長との面会を楽しみにしている」と快諾した。

 岡田代表が5月に示した外交安全保障に関する岡田ビジョンについてボーヴァ大使は、「深い関心をもって読ませてもらった」と表明。その上で大使は、イタリアの中道左派連合「オリーブの木」に言及し、民主党が(政権獲得を果たした)オリーブの木に関心をもっていた経緯を語るとともに、「イタリア野党が合流していった経過は参考になるか、民主党は野党の幅をどのように広げていくか」などの点を岡田代表に質問した。

 岡田代表は、「オリーブの木についてはかつて菅前代表とともに勉強した経緯があるが、状況は当時とかなり変わっている」と述べ、当時は公明・自由・社民の3野党でオリーブの木を考えていたが、公明党は与党となり、自由党とは合併し、社民党もそれほど大きな勢力ではない現状を説明。「民主党単独で政権をめざすというのが私の考えであり、それは十分可能性のあること」との考えを表明した。

 同時に、イタリア野党第一党書記長に関心を寄せる理由について岡田代表は、創設以来、西側の共産党では最大勢力を維持してきたイタリア共産党を前身としながら、1991年、左翼の大同団結を目指して改称、2000年に共産主義への決別と社会民主主義への転換を宣言し、大きく変化してきたそのプロセスに大いに関心があると説明。「野党第一党の政党の大きさと与党との関係において、民主党と似通っている」とした上で、書記長がどう政権を撮りにいくかという点も含め、これまでの経験に耳を傾けたいとする意向を示した。

 続いてボーヴァ大使は岡田ビジョンにおける外交に関する分析に感銘を受けたことを改めて表明。岡田代表は「アメリカをとるか、アジアをとるかといった選択ではない。双方をとるのが基本」と述べ、日本の平和と豊かさのためにアジアを一段と重視することの必要性を指摘しつつも、それはアメリカ軽視の姿勢ではないことを強調した。「日米関係は占領期の影を引きずっている感じがある。依存の関係にあるのを(改善していくのが)課題だと思う。同時に今、日本で排他的なナショナリズムの動きの芽が見られるが、長い目でみると、それは日本に過ちを招くことになりかねない」と語った。その上で岡田代表は、アジア全体が平和で豊かになるなかで、日本にも平和と豊かさがもたらされることに関する国民の理解を深めることがリーダーの使命だとした。日中・日韓の問題解決に向けては、「お互いがお互いを必要としている」との信頼関係に基づき、率直な意見交換を行うべきとした。

 大使から小泉首相の今後を問われたのに対して岡田代表は、「総理自ら、数カ月の間に解散する可能性がある」と言及し、閉塞感につつまれている日本人が自信を取り戻せるような改革を進め、元気を取り戻してもらうことが民主党のアピールの基本だと強調した。
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