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2005/07/15
【参院郵政特】江田議員、小泉郵政改革はリフォーム詐欺と厳しく指摘


参議院郵政民営化に関する特別委員会で15日午後、小泉首相も出席して質疑が行われ、民主党・新緑風会のトップバッターとして、江田五月参院議員(参議院議員会長)が質問に立った。江田議員は、小泉首相の政治姿勢や郵政民営化の本質を鋭く突き、小泉首相の進める郵政改革は「リフォーム詐欺だ」などと厳しい指摘を行った。

 質問の冒頭、江田議員は、郵政民営化関連法案の質疑に臨む決意を力強く明らかにした上で、小泉首相に対し、「言葉がゆっくりなら丁寧というわけではない」と諭して、簡潔かつ明快な答弁をするよう求めて質問に入った。

 まず江田議員は、参院での首相の答弁を、参院自民党の幹部が事前にチェックしていたとされることについて、その真偽を質した。小泉首相は、「どういう答弁をしたらいいかを、個別に与党の幹部と打ち合わせということは滅多にない」として事実上、事前の了解を得たことを認める答弁。江田議員は更に、小泉首相を織田信長でなくルイ16世に例え、「国民の声はむしろ、あなたに対してダメだという声が起きているのではないか」として、「いよいよ(政権の)終わりの始まりだ」と迫った。

 その上で江田議員は、首相のこれまでの答弁を引き、衆院本会議の採決は、「整然と採決、という認識か」を質した。首相は、「異例のことであるということは認識している」などとした。江田議員はこれに対し、「事実上は自主投票のようなもの」だと断じ、郵政法案が、立法者が法的確信を持っていない、「死に体法案として参議院に来ている」ことを厳しく指摘。首相は、「投票行動は、人それぞれによって思いが違う」などとした。

 江田議員は、自民党内のゴタゴタも指摘しつつ、「脅しの類で法律をつくることは止めて欲しい」と釘を刺し、チェック機関としての参議院の存在について言及。衆議院の行き過ぎを正す「理の府だ」として、参議院の議決は「当然尊重されなければならない」との首相答弁を引き出した上で、「従って、参議院で否決されたからといって、衆議院を解散するというのは筋が違う」、「内閣総辞職が筋だ」などと厳しい追及を繰り広げた。

 更に江田議員は、「官から民へ」と繰り返す小泉首相の姿勢に対し、民営化は良いことで、公社化はその一里塚で、公社になったら良くなったので、民営化するともっと良くなるから、賛成、という首相の論理展開の大きな誤りを厳しく指摘し、追及。「民イコール競争イコール善」という単純な図式で語られる問題ではないことを示し、首相も、「必ずしも全て競争が良いというわけではない」、「問題ごとによく見きわめる必要がある」などとした。

 「公社化は民営化の一里塚だと思っていた」とする小泉首相に対し、「公社で、もっと良くなる余地はある」し、「民営化は百害あって一利なし」だと主張を展開した江田議員は、「騙しのテクニックだ」と首相の手法を批判し、資金の流れに関しても「官から民へ」ではなく、むしろ「民から官へ」流れていることを分かりやすく指摘した。そして、衆議院でなされた修正に関しても、「小泉首相自身が、何も中身は変わっていないと答弁している」ことを引いて、インチキだと批判した。

 最後に江田議員は、公社という経営形態で、色々なことができる状況なのに、そこに人が入ってきて、やらなくてもいいことをやって、色々な器具を付けて、複雑でグロテスクなものをつくり、請求書だけ国に持ってくる、というのが小泉郵政改革だと厳しく指摘。「そういうリフォーム詐欺は止めて欲しい」と断じて質問を締めくくった。
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