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2006/03/29
【次の内閣】分権・公務員制度・医療制度改革など活発に議論


 民主党『次の内閣』は29日午後、国会内で閣議を開催し、民主党の分権革命ビジョン、公務員制度に関する基本的考え方、行政改革推進法案への対応方針などについて議論を行ったほか、医療制度改革に関連して、がん対策法案など3本の議員立法の内容を了承した。

 閣議の冒頭、前原誠司ネクスト総理大臣(代表)が挨拶し、予算成立に関し参議院での奮闘に謝意を表しつつ、「メール問題で、焦点があたりにくかったことには心からお詫びを申し上げる」とした。その上で前原ネクスト総理大臣は、いわゆる4点セットなど様々な問題が山積しており、国会での一層の論戦を要請。また、プルサーマルについてどう考えるのかについて、安全の問題、エネルギー問題、そして環境問題といった多様な視点から横断的な議論を早急に党内で進め、考え方を取りまとめるよう要請した。

 鳩山由紀夫ネクスト国務大臣(幹事長)は、メール問題に関する検証について近日中に報告を行うが、それを党再生に向け新たな出発の時とし、一致団結してがんばっていこうなどと呼びかけた。松本剛明ネクスト官房長官(政策調査会長)、川端達夫国会対策委員長代理からもそれぞれ報告が行われた。

 NHK予算への対応については、渡辺周ネクスト総務大臣と内藤正光同副大臣から、衆議院では附帯決議をつけた上で賛成したが、その後の報道で、NHKが虚偽ともとれる報告を国会に行ったとの指摘もあり、参議院ではこの問題に対するNHK側の答弁を踏まえた上で、松本ネクスト官房長官、渡辺ネクスト総務相、参議院総務委員会理事で最終的な対応を判断することを一任した。

 「民主党 分権革命ビジョン 中間報告(案)」については、渡辺ネクスト総務相と枝野幸男分権調査会長から報告があった。この中では、中央集権体制の問題点や分権革命の必要性を指摘しつつ、分権革命の理念・目的として、個性を生かして地域の魅力を引き出すこと、多様なニーズに適合できる社会をつくること、住民の参加意識を高めること、財政に対する住民の監視を働きやすくすること、の4点を提示。こうした理念・目的から、補完性の原理を貫徹すべきだと提言している。また、国と地方の役割分担、基礎自治体と広域自治体の役割分担を示しつつ、税と財政調整の基本的考え方にも言及している。閣議では、様々な論点に関して活発な議論が行われ、中間報告として了承。今後は税制調査会等関係部門とも協議を進めていくこととなった。

 「国の事業見直しと公務員制度改革に関する基本的な考え方(案)」については、渡辺ネクスト総務相(公務員制度改革等調査会長)から説明が行われた。この中では、行政改革と公務員制度改革に取り組む基本理念として、効率的で人に温かい政府の構築、国と地方の役割分担の大胆な見直し、公共サービスのあり方の再定義、公務員制度の抜本的改革、行政機関の効率化の断行などを挙げ、行政刷新会議の設立なども含めて、国の事業の見直しや公務員制度改革の実現に関して基本的方針を示している。閣議での活発な議論の後、この基本的な考え方について閣議として了承した。

 行政改革推進法案の審議対応方針については、直嶋正行行政改革プロジェクト・チーム(PT)座長(ネクスト官房副長官・政策調査会長代理)から、現状の問題点を厳しく批判しムダづかいを調査しつつ、政府案の内容を逐条的に精査する作業を行い、その上で民主党の考え方を取りまとめ時機ををみて対案等のかたちで問うていく、という基本方針について説明が行われ、各部門会議に改めて協力の要請も行われた。

 また、医療制度改革に関しては、「がん対策法案」、「小児医療提供体制の確保等のために緊急に講ずべき政策の推進に関する法律案」、「医療を受ける者の尊厳の保持及び自己決定に資する医療情報の提供、相談支援及び医療事故等の原因究明の促進等に関する法律案」(=旧「患者の権利法案」)の3法案(いずれも民主党議員立法)の内容を、仙谷由人ネクスト厚生労働大臣、小宮山洋子ネクスト子ども政策担当大臣、山井和則ネクスト厚生労働副大臣が説明し、参加議員間での議論を経て、法案内容について了承した。

 「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」(取調べ可視化法案、民主党議員立法)についても千葉景子ネクスト法務大臣から、取調べ時の弁護人立会権やビデオ録画等の内容について説明があり、再度提出することを了承した。

 このほか、会長を鳩山由紀夫幹事長、会長代理を藤村修衆議院議員、事務局長を鈴木寛ネクスト文部科学大臣とする教育基本問題調査会の設置(再開)なども了承された。
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