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1999/03/10
[参院予算委集中審議]不安感を安心感に変える努力こそ重要/朝日俊弘議員
参議院の予算委員会は10日、教育・環境・福祉に関する集中審議を行い、民主党の朝日俊弘議員は、高齢者医療に対する薬価の国庫負担を「特別措置」として、突如打ち出した政府に対し「違法とは言わないまでもきわめて異例。平成9年改正の健康保険法の趣旨である現役世代と高齢者世代の公平確保、給付と負担の合理化の原則に反している」と批判した。

 宮下厚相は「関係団体や政府の意見を調整したもの。抜本改革までの暫定措置だ」と正当性を主張。宮沢蔵相は「現情勢を考えての提案だと思うが、きわめて例外的な措置。将来に大きな仕事を残した」と国債の大量発行を控えた大蔵省として、やや不満をにじませた答弁。

 続けて朝日議員は介護保険について「現行の健康保険に上乗せ徴収することになるが、納付率の低下が心配だ」と指摘。これに対して厚相は「徴収の確保にあらゆる努力を行う」とするのみだった。さらに地域ごとの施設数の格差を指摘され、厚相は「負担と給付の公平性確保に務める。医療施設の偏りは広域的に調整する」と実施にあたって課題が山積していることを認めた。

 最後に朝日議員は「政府はすべて景気対策一本でやってきたが、ただ負担を減らしただけでは人間の心理は動かない。不安感を安心感に変える努力こそ重要だ」と政府の対応に疑問を投げかけた。
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