ニュース
ニュース
1999/03/11
運用状況が悪化する「年金制度」を追及/寺崎昭久参議院議員
11日の参議院予算委員会で、寺崎昭久議員は、政府が3月にまとめた年金制度改正大綱をもとに、年金の運p状況を取り上げた。 寺崎議員が企業年金財政の悪化状況をただしたのに対し、武藤・大蔵省審議官は「根拠法がなく把握していない」と答弁。「よくそれで老後問題が議論できる。いろいろ推計方法があるはずだ」と追及し、宮沢蔵相は「私自身も心外の思いがある。わからない、だけでは行政としてよろしくない」と実態把握が必要との認識を示した。

 続けて厚生年金基金について、寺崎議員は「92年よりすでに運用利率が下回っていたにもかかわらず、予定利率を96年度まで据え置いた」事情を追及。矢野・厚生省年金局長は「年金は長期的判断で行うもの。従来、簿価(原価)ベースでやってきたが、平成9年から時価ベースに変えている」と答弁。寺崎議員は「株の含み損を隠した結果、傷を大きくした。来年度から会計基準が国際化されるが、企業年金の悪化がディスクローズされれば企業の格付けが下がることも十分ある」と警告した。

 続けて寺崎議員は政府案の「厚生年金基金の不足を企業保有株式で穴埋めする方式」について、「市場に影響され基金の不安定化を招かないか」と懸念を示した。厚相は「上場株に限定するなど一定の条件を設ける。ただ各基金の自主的判断が必要。リスクがあれば当然基金が負う」と自助努力のみを強調した。

最後に寺崎議員は、政府に対して4つの政策を提言。「財政資金の投入が無理なら、せめて積立不足について政府保証を与えるべき」と主張したが、厚相は「まったく考えていない」と冷ややかな態度。「金融機関への公的資金導入がよくて、企業年金支援がダメというのは全く納得いかない」と寺崎議員は政府の姿勢を強い口調で批判した
記事を印刷する