ニュース
ニュース
2005/07/21
仮想現実の中に生きる小泉首相は「お気の毒」 岡田代表が記者団に


岡田克也代表は21日午後、国会内で記者団の質問に答え、衆議院解散の可能性や小泉首相の政治姿勢などについてコメントした。

 冒頭、岡田代表は、小泉首相の昨日の発言について、「郵政法案で民主党にも隠れた賛成者がいるという発言があったようだが、こうあって欲しいという総理の夢と現実がごちゃ混ぜになって、仮想現実の中に生きている」と厳しく指摘し、「お気の毒だ」と皮肉混じりに切って捨てた。

 また、衆議院解散の可能性について問われた岡田代表は、「可能性はもちろん否定できない」とし、「最低限の準備はするように、号令はかけている」としつつも、その可能性は「そう高くはないのではないかと思っている」とした。同時に岡田代表は、「メディアを含めて、『解散風』を一生懸命吹かせている人たちがいるが、郵政関連法案を、危機感を盛り上げて可決させようという作戦の一環だ」と述べ、「そのお先棒を担ぐようなことはしない」とした。

 郵政法案採決との関連についても、「否決しても総理は解散できないと思う」との見方を示した岡田代表は、否決・解散は「自民党の瓦解」であるとし、「最後の将軍、徳川慶喜になるということを、総理自らが判断されるとは思っていない」と述べるとともに、「総理もミスター自民党」であり、「自民党を壊すようなことはしないと想像している」とした。

 また、来週の党首討論の開催を、国会対策委員会を通じて与党側に申し入れたものの、拒否されていることについても岡田代表はコメント。与党側は「総理をそういう場に出さないという方針のようだ」とし、「重大な課題が山積している中で、総理として出て来ていただいて、総理としての責任を果たす」べきだと強調するとともに、「逃げ隠れしないでいただきたい」と厳しく指摘した。

 「ミスター自民党」だと小泉首相を評したことについて再度問われた岡田代表は、小泉首相は、「自民党の枠は壊せない人」だとし、「政治改革の時も、改革反対派のリーダーだった」ことを改めて指摘。「大きく変えるということに対しては、非常に後ろ向き」で、「橋本派を壊すことには非常に熱心なようだが、自民党を壊すことは考えていない」と述べ、「やれるものならやったらいい」と述べた。

 最後に、小泉首相が昨日、郵政法案の参議院での採決に関して「票読み」を披露したことに関しても、もっと大事な課題が山積していることを岡田代表は指摘し、「そんな票読みをするヒマがあったら」、「総理としての責任を果たすべきだ」とし、「何をつまらないことを言っているのだと怒りを覚える」と厳しい批判を加えた。
記事を印刷する