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2005/07/22
【参院郵政特】岡崎・藤本両議員が民営化の矛盾点を次々に追及


参議院の郵政民営化に関する特別委員会で22日、民主党・新緑風会から岡崎トミ子(副代表)・藤本祐司両参院議員が質問に立ち、民営化の矛盾点を追及した。

 岡崎議員は民営化された後の各会社の目的と公社の目的、現行の郵便法・郵便貯金法・簡易生命保険法で規定されている目的が違うことを挙げ、「愛される郵便局が、嫌われる郵便局になるのではないか」として、民営化そのものを否定した。特に過疎地・高齢社会の中で、ますます期待され必要とされる、ひまわりサービス、属人的な安心サービスが民間会社でどのように担保されるかを質問した。

 そして岡崎議員は、沖縄から怒りのFAXが多数寄せられていることを示し、過疎地で郵便局の果たしている役割の重要性を指摘した。その上で完全に民営化される2017年には、90歳以上の人が100万人となり、26%の高齢者率となることを示し、「ひまわりサービスは会社に義務付けられているか」と質問した。竹中郵政民営化担当相は、「継続していかれると思う。敬称計画で十分に配慮していく」と、何ら具体的な根拠も示さず無責任な期待を述べた。

 このため、岡崎議員は法の条文を示し、「民間会社が法に書いていない業務を自ら進んで行うとする期待・根拠は何か」を問うた。竹中担当相は、「リザーブエリアを確保している。その利益で公共的機能を果たす」と、ここでも想像の範囲を超えない答弁に終始した。岡崎議員は、「法律に明記しない」理由を詰問。これに対しても竹中担当相は、地域貢献基金が存在している、現状から考えてできるであろうとなどと答えるのみで、何らサービスが継続される担保を示さなかった。このため岡崎議員は「担保はない。希望を述べているだけだ」として、無責任な民営化・公的サービスの切り捨てを批判して質問を終えた。

 続いて質問に立った藤本参院議員は、民営化で350兆円が民間に流れる、新規事業で9億円の利益が上がるなどの宣伝の仕方は誇大広告であり、正確な誤解を招かないようなものにするべきだとして、政府が出している骨格経営試算・新規事業の採算性に関する試算などの杜撰さを指摘し、正確な資料の提出を求めた。この要求は理事会で協議されることになった。

 藤本議員は誇大広告の例として、郵便貯金銀行会社の新勘定と旧勘定を取り上げ、旧勘定と新勘定はどのように分けられるのかを、まず質した。竹中担当相は、「旧勘定に定額貯金150兆円、新勘定に50兆円」と答え、旧勘定に残る150兆円は政府保証がつき、安定運用が求められ、民間にはすぐには流れないことを認めた。また、藤本議員は、「10年後には郵便貯金の残高、現在の214兆円が142兆円になるとしているが、どういう根拠か」と質問。竹中担当相は、「平成14年・16年の減少幅を勘案。この試算は公社も正しいと評価している」と答え、試算が不正確なことを暗に認めた。さらに、藤本議員は、「前提や計算式が分からない。貯金残高が3分の2になる理由は」と追及。竹中担当相は、「一貫性のあるもの出すよう、郵政民営化準備室に前向きに検討させる」と答えた。

 また、新規事業についても、当初は旅行代理店業務・介護サービス・ケアプランの窓口仲介ができるとしていたが、現在提出されている新規事業の採算性に関する試算からは消えていることを取り上げ、「できないものも、できるように言っている。ごまかしてはいけない」と批判し、「10年間でこうなるというものを、同業他社などの比較を含めた資料・文書を出していただきたい」と要求した。
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