ニュース
ニュース
2005/07/22
岡田代表アスベスト被害視察 労災補償保険法改正案提出を表明


アスベスト(石綿)による健康被害が全国的に顕在化する中、岡田克也代表は22日、東京・世田谷区にある希望丘中学校を訪れ、体育館天井に使用されたアスベストの現状を視察するとともに、その被害状況・対策等に関して説明を受けた。視察には党アスベスト問題プロジェクトチーム事務局長の奥田建衆議院議員、『次の内閣』ネクスト文部科学総括副大臣の鈴木寛参議院議員、世田谷区選出の花輪智史都議会議員らが同行した。

 視察後に記者団から問われて岡田代表は、「ここのケースは飛散するリスクはないということなので安心できる」としつつも、同校では学校や公営住宅等における吹き付けアスベストが社会問題化する中、昭和62年に調査を実施後、規制が強化されたにも関わらず、その後は調査が行われてこなかったことを指摘。「そうした事例は全国的にもあると思う。もう一度きちんと調査し、だめなものは早急に取り除くことが急がれる」と語った。

 行政の取り組みの遅れに対する民主党の国会等での対応を問われたのに対しては、「一番心配されることは、段階的に規制強化される中で、今回のように一度(調査を)行ったからそれでいいと見逃されているケースがかなりあるということ」との見方を示した岡田代表は、政府の責任の下に実施する現状把握のための全国調査が不可欠であると重ねて指摘。同時に、健康被害を及ぼす懸念のあるものについては早急な除去に全力を挙げるべきと述べ、並行して原因究明と規制そのもの遅れ等を国会で追及していくとの考えを示した。

 更に岡田代表は、「労災の適用のない周辺住民の健康被害に対してもしっかりとした補償を行い、対応していくことが重要」とも語った。

 民主党としてはアスベスト問題プロジェクトチームを中心に、実態把握を進めるとともに、今国会でアスベストによる健康被害に限定して労災請求の時効期間延期を盛り込んだ労災補償保険法改正案を提出する方針。政府が提出済みの「労働安全衛生法等の一部を改正する法律案」に労災補償保険法改正案が含まれるため、これに対して修正案として提出する。
記事を印刷する