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2006/03/30
医療改革、政府案の前提となる推計の問題点を指摘 山井議員


 衆議院厚生労働委員会の筆頭理事を務める山井和則議員は30日昼、政府が提出した医療制度改革関連法案の前提とされている推計の数字について、国会内で記者会見した。

 山井議員は会見で、医療費の伸びに関する推計の根拠やその計算式など、医療制度改革の審議の前提となる重要な事項が示されていないと指摘した。一例として、制度改正なしに推移した場合は「56兆円」に上昇すると想定されている、2025年度の医療給付費(国民医療費から患者負担分を除いたもの)を提示。推計の前提となる1人当たり医療費の伸び(一般医療費2.1%、高齢者医療費3.2%、平成7〜11年度実績平均)について、「平成7〜11年度」は一番医療費が伸びて診療報酬が大幅に上がった時期であり、高めになるように見積もられた可能性があるとした。また、「実績平均」といいながら、実際には補正が行われていると判明したことにも言及した。

 さらに「平均在院日数の短縮による医療費適正化効果」についても、「約4兆円」という数字の計算根拠が、数式を含めて提示されていないと説明し、議論の前提となる推計が揺らぐならば、今回の法改正が必要なのかという疑問すら持たれるのではないかと、改めて強い懸念を示した。

 今後の対応については、推計に当たっての根拠を引き続きしっかり求め、いかに政府案が不十分かを明確にしたいとの考えを示した。また、「がん対策法案」など医療制度改革に関する3法案が、提出に向けた大詰めの段階にあると、取り組み状況を報告した。
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