民主党はじめ野党3党は29日、「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の一部を改正する法律案」(原爆被爆者援護法改正案)を共同提案の形で参議院に提出。民主党からの発議者には、山本孝史、柳田稔、犬塚直史各参議院議員が名を連ねた。
改正案のポイントは以下のとおり。(1)在外被爆者に被爆者援護法の適用があることを明確にする。(2)渡日せずに、被爆者援護法による各種申請を可能にする。(3)日本国外での在外被爆者に対する保健・医療・福祉を支援する。(4)在外被爆者の渡日治療を支援する。
法案提出後、国会内で開かれた記者会見の席上、山本議員は、5千人を超えるとも言われる在外被爆者には、厚生労働省の運用によって被爆者援護法が適用されていない現状を説明した。山本議員はまた、健康管理手当など、いくつかの事項に関しては、訴訟を通じて外国へ行っても失権しないという司法判断が出ており、「整合性の取れた話ではない」と指摘。被爆者の高齢化が進む中、人道上の配慮が求められるとの見解を示した上で、「裁判所が示している考え方に沿って、法律を明確なものにし直す」べきだと改正の必要性を述べた。
なお、民主党の横路孝弘『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣らは27日に、核兵器の廃絶と被爆者対策の充実について、尾辻厚労相に要請を行っている。
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