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2005/07/29
高齢者の虐待防止と養護者支援に向けて、衆院に法案提出


民主党は29日、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律案」(高齢者虐待防止法)を衆議院に提出した。法案提出にあたり、高齢者虐待防止プロジェクトチーム座長の山井和則衆院議員、事務局長の泉健太衆院議員、副座長の水島広子衆院議員、事務局次長の中根康浩衆院議員が記者会見した。

 民主党提出の高齢者虐待防止法のポイントは、以下のとおり。(1)専門的な人材の確保の努力規定、(2)高齢者虐待防止・養護者支援センターの設置、(3)虐待への迅速な対応へ配慮する義務、(4)一時保護の規定、(5)居室等の確保、(6)養護者支援として、緊急ショートステイ等の施策を義務付け、(7)虐待の状況、対応等を都道府県が公表、(8)虐待の実態調査や対応プロトコル、施設従事者等の支援等の調査研究、(9)成年後見制度利用促進の規定、(10)障害者虐待防止の検討規定。

 会見で山井座長は、虐待を減らすという実効性を持たせるため、養護者の支援を主眼に、障害者虐待防止も視野に入れて立案を行ったなどと挨拶した。さらに、来週にも与党が法案提出を予定していると述べ、今後は与野党協議で検討を行って、なるべく今国会での成立を目指したいとの考えを示した。泉議員は、法案の取りまとめに至る経緯を報告した後、法案の中身について説明。リフォーム詐欺など不当取引による被害にも言及し、法案で防止の規定を設けたほか、党としても消費者や建設関係の法律を再検討し、総合的に対策を進めていると表明した。

 水島議員は、法案の意義について、これまで法律上は手付かずだった家庭内の虐待を定義づけし、通報制度の道筋を作ると指摘。高齢者に対する経済的権利の侵害についても、現状でできる所まで法案の中で整理できたなどと述べた。中根議員は、弱い立場で抵抗できない方々に対する虐待はすべからく許されるものではなく、立法のコンセンサスは得られているとの認識を示し、将来的には障害者虐待防止法の検討を行いたいなどと、今後の見通しを語った。
関連URL
  法律案と要綱
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=746
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