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2005/07/29
「郵政最優先は許し難い。もっと大事なことがある」川端幹事長


 川端達夫幹事長は29日、党本部で会見し、28日の第9回政権戦略委員会で決定した民主党のキャッチコピー「もっと大事なことがある」を改めて示し、郵政民営化特別委員会の質疑等を見るにつけても「この一言に尽きる」と指摘。郵政民営化法案一色である国会審議、採決時の票読みに狂奔する小泉内閣の政治姿勢を厳しく批判した。

 川端幹事長はまた、鋼鉄製橋梁建設工事を巡る談合事件で日本道路公団の内田副総裁が逮捕された問題にも言及。「官製談合が日本の政治の大きな病巣であり、税金の無駄遣いの最たるものであると民主党はかねがね指摘してきた。その問題が明るみに出たと言える」と述べ、腐りきった政治体質を変えるためにもこの機を逃さずに切り込んでいくとした。

 日本歯科医師連盟の裏献金事件をめぐり、自民党の山崎前副総裁に対して東京第二検察審査会が「起訴相当」と議決した問題も取り上げ、同党が一貫して否定してきた迂回献金疑惑が再燃した状況を前に疑惑を徹底的に追及する考えを表明。この問題に関連して同日、民主党の佐々木秀典・辻恵両衆議院議員が、不起訴となった自民党の橋本龍太郎元首相や山崎拓前副総裁らを起訴するよう東京地検に申入れを行ったことを明らかにした。

 同時に日増しに被害が顕在化しているアスベスト問題については、「色々な公害事件がある中で、アスベスト被害者数は日本の歴史上の最悪の規模になる」との見方を示し、緊急対応の必要性を指摘。民主党としては、プロジェクトチームでの徹底調査を皮切りにその対策に着手したと語った。

 更には、米国内でBSE(牛海綿状脳症)感染の恐れがある牛が新たに見つかった問題にも言及し、米側に安全確保に向け日本政府が早急な対応を求めるべきである点を指摘。また、全世界で拡大の一途をたどるテロ、6カ国協議経ても何ら進展の見えない拉致問題、暗礁に乗り上げている常任理事国入りの問題などを列挙した川端幹事長は、日本政府の早急な取り組みが不可欠とする考えを強調した。

 こうした山積する課題を前に川端幹事長は、「なぜ郵政民営化法案最優先なのか。政権維持のために票読みに狂奔している姿は許し難い。もっと大事なことがある」と改めて強調。予算委員会開催を拒み続ける与党に対し、鉢呂民主党国対委員長が中川自民党国対委員長を直接訪問するなどして改めて開催を強く求めたことを明らかにした。
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