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1999/12/16
全国幹事長会議開く「政権奪取へ、選挙準備急げ」鳩山代表が檄
迫りつつある解散総選挙を前に士気を高める民主党の全国幹事長会議が16日、東京・永田町の全国町村会館で開かれ、党幹部と各都道府県連からの参加者の間で活発な質疑応答が交わされた。

 冒頭、あいさつに立った鳩山由紀夫代表は、「臨時国会では内閣不信任案を提出しなかったが、解散が遠のいたわけでなく1月か2月の可能性が高い」と強調。さらに「自自公体制が続けば続くだけ国民のためにならず、一日も早く引きずり下ろして政権交代をもたらすのが民主党の務めだ。地域でいっそう積極的に選挙準備を進め、新たなミレニアムに新たな政権を打ちたてよう」と、全党員の地域での一層の奮起を力強く訴えた。

 次に羽田孜幹事長が、「長野参議院補欠選挙と福岡市の県議会補欠選挙での民主党圧勝は、自自公に対する国民の拒絶を示している。国民の声も『民主党がんばって』から、『政権を変えて』に変わってきた」と述べ、「政権交代は先進諸国での流れ。日本でもその機会が迫ったことに確信を持ち、万全の構えで選挙に臨もう」と檄を飛ばした。

 続いて、熊谷弘幹事長代理(衆議院選挙対策本部事務総長)が報告。「小選挙区では、擁立候補者の最低目標数である250人まで目前だ。できるだけ多くの候補者を擁立できなければ比例区の票も期待できず、何が何でも候補者を作らねばならない」と述べ、未決定区での早急な候補者擁立を訴えた。

 また熊谷幹事長代理は総選挙での比例区の獲得目標として、98年の参議院比例得票数に800万票上積みする2000万票に置くと発表。「国民の支持は自自公から離れているが、そうした層を獲得するためにはよほどの運動量が必要となる」として、目標を上回る意気込みで組織を挙げての選挙準備に邁進するよう求めた。

 続いて質疑応答に移り、「地方議員や女性のネットワークが形成されているが、これを全国規模に組織化して欲しい」(北海道)、「これまで協力を継続してきた創価学会が自自公の成立で態度を変えてきており、今後の対応について苦慮している。敵として自自公を固定化するのか、それとも民・公という選択はないのか」(鳥取)との要望や質問が出された。

 これに対し熊谷幹事長代理は、「彼らは甘い言葉で近づき、比例区への投票などを条件に協力を申し出てくる。だがこれまで多くの候補者が彼らに利用されたあげく裏切られてきた経過があり、安易にすり寄ることはできない」と述べ、創価学会や公明党との選挙協力に慎重な姿勢を示した。

 また、「なぜ不信任案を臨時国会で提出しなかったのか」との質問に対して石井一副代表は、「不信任案は、野党にとって伝家の宝刀。毎回抜いて否決されたら意味がなく、ここぞというタイミングがある」と述べ、議長裁定が二度も出された今国会の経緯を説明した。

 さらに「連合は民主党機軸という方針だが、各組合によって温度差があるが」(鹿児島)との質問に対しては、前川忠夫選対委員長が「昨年の参議院選挙で民主党の応援をしなかった連合内の組合もこちらへ比重を移してきている。今後もしっかりとした政策の付き合わせをやる」と説明。

 最後に会議の集約に立った羽田幹事長が、「今国会で与党議員の出席率は極端に悪く、皆選挙で走っていることからも解散は遠くない。今こそあらゆる知恵と力をふりしぼり、全員の力で政権を変えよう」と要請し、全員で総選挙での必勝を誓い合って日程を終了した。
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