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1999/11/04
参議院本会議で代表質問/寺崎、直嶋両議員 「やはり単なる数合わせ」3党政策協議の難航ぶり批判
 参議院本会議で4日、衆議院に続いて小渕首相の所信表明演説に対する各会派の代表質問が行われ、民主党・新緑風会からは寺崎昭久参議院副会長、直嶋正行参院政調会長が質問に立った。

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 この日のトップバッターとして登壇した寺崎議員は、冒頭「規模が大きすぎる連立政権によって、議会は法案を通過させるだけの無力な承認機関になり、議会政治の精神は死滅してしまう」と指摘し、自自公三党間の政策調整の難航ぶりを「やはり政策を実行するための政権ではなく、単なる数合わせでしかない」と批判した。

 また、自由党に対しては、昨年8月に小沢党首が解散・総選挙を求めた発言を引用し、「何故に党首自らが解散・総選挙を主張しながら連立に参加するのか」と疑問を呈し、さらに公明党にも、昨年11月の公明党結党大会での神崎代表の「自民党の補完勢力になる気は全くない」との発言を引き、「『自民党と連立する党』として新しい公明党をつくらないと、国民に対して説明がつかない」と結党から1年を経ずに党是を180度変更させた同党を批判した。

 また西村前防衛政務次官の暴言問題について、寺崎議員が「総理は防衛問題に一家言をもっている西村議員の爆弾発言を期待していたのではないか」と迫ったが、小渕首相は「個人的意見はある程度承知していたが…」と言葉を濁すばかりだった。

 続いて寺崎議員が、藤波元官房長官の有罪確定に関連して、政治家の地位利用収賄罪創設に対する首相の見解を求めたが、首相は「各党各会派でご議論を」とあいかわらずの人任せの態度だった。

 さらに、寺崎議員が東海村臨界事故で間接的な被害を受けた住民への補償についてただしたのに対し、小渕首相は「身体の障害や物の損傷を伴わない損害であっても、放射線の作用に相当の因果関係が認められれば賠償対象となる」との見解を示した。

 また、山陽新幹線のコンクリート剥落事故について、寺崎議員が「即刻、徹底的に安全総点検を対策を講じるべき」と、JR西日本などへの指導を求めたのに対し、首相も「新幹線の安全輸送に対する国民の信頼回復に努める」と応じた。

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 民主党・新緑風会からの2人目の質問者として登壇した直嶋議員は、はじめに「総理の所信はまるで別世界にいる人かと思うほど、雇用問題に対する危機感も、解決への意気込みも感じられない」と非難。さらに介護保険の見直し問題については、「与党3党のやりとりは、深刻な社会問題を与党の政治家がよってたかって『おもちゃ』にしてるとしか見えない」「来年4月の実施に向け必死の準備を続ける市町村を大きな混乱に陥れている」と国民の憤りを代弁しながら、厳しく批判した。

 直嶋議員が自由党の二階運輸相と公明党の続総務庁長官に、党としての介護保険に対する考えをただしたのに対し、二階運輸相は「消費税を福祉目的税に改め、財源に充てる」、続長官は「在宅介護に対する保険料徴収にとどめ、施設介護の財源は公費で」とばらばらの答弁。

 また、直嶋議員は衆院定数削減についても両氏に尋ねたが、二階運輸相は「50削減という自由党主張の根幹は維持されている」、続長官は「中選挙区に改革する中で50削減する」と述べるなど、足並みの乱れを見せつけた。
関連URL
  小渕総理の所信表明演説に対する代表質問(寺崎議員)
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=11529
  小渕総理の所信表明演説に対する代表質問(直嶋議員)
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=11527
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