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1998/10/02
地球温暖化対策推進法、参議院で可決・成立
福山哲郎議員 政府の不明瞭な政策決定過程を追及
 1日の参議院国土環境委員会での採択に続き、2日の参議院本会議において、地球温暖化対策推進法が全会一致で可決され成立した。先の通常国会では継続審議扱いにされていたが、7月の選挙によって参議院での与野党が逆転したことを受け、今回は民主党を中心とした野党ペースで審議が進められ、修正が加えられた。

 盛り込まれた修正は、(1)気候変動枠組み条約と京都議定書の経過を踏まえて取り組むことを目的に含める、(2)都道府県だけでなく市町村にも温暖化防止の実行計画の策定を義務付ける、の2個所。参院選の勝利を活かして衆参両院の野党が協力した結果、温室効果ガス排出削減に向けて、まず第一歩となる法律を成立させることが出来た。今後は取り組みを進めていく中でこの法律を適時見直し、強化していく必要がある。

 また1日の国土環境委員会では、福山哲郎議員の一般質問により、環境庁を中心とした政府のCOP4への不明瞭な対応の一端が露呈し、議事が一時中断するハプニングがあった。福山議員は9月17日の委員会において、条約事務局に提出した政府提案の内容を尋ねたが、その時の答弁は「一切出していない」というものだった。しかしその提案は、9月10日付の提出として条約事務局のホームページに載せられていた。つまり政府は10日に提出していたものを、17日の委員会で「提出していない」と虚偽の答弁を行ったのである。

 この事実を福山議員が問いただしたところ、環境庁の政府委員は「質問の趣旨を取り違えていた。申し訳ないことをした。」と陳謝し、提出していたことそれ自体については知らなかったと答え、環境庁長官も「全ての詳細事項は把握出来ない」と弁解に終始。

 福山議員は委員会後、次のように語った。「 担当局長も大臣も知らずに政府提案が作成され提出されているとしたならば、COP4に向けた重要な政策決定過程が極めて不明瞭・不透明であると言わざるを得ない。しかもそのことが海外のホームページに掲載されて初めて国内に知られるということは、情報公開の点からも極めて異常な事態であり、看過出来ない問題である」
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