|
1998/12/02
衆院財革特別委で「凍結法案」論議始まる
|
衆議院の財政構造改革に関する特別委員会は2日、政府提出の「財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案(財革法凍結法案)」の審議に入り、民主党からは日野市朗、生方幸夫両議員が質問に立った。
●日野市朗議員 いったん廃止し抜本改革を
日野議員は「いったい何たる醜態であるか」と切り出し、「財革法ができたのは昨年11月、今年5月にはわずか半年で改正案が出され、今や凍結法案となっている」「財政構造改革の志はすでに失われたのではないか」とただした。宮沢蔵相は「構造改革はできなかったが、将来ある時点でそうしなければならないとは感じている」と答えたが、日野議員は「平成17年までに財政再建をするという財革法の目標が達成できるとはとても思えない。財革法はいったん廃止してもう一度最初から、日本の財政構造改革はどうあるべきか議論すべき」と主張した。
日野議員は国、地方公共団体ともに惨憺たる財政の状況を指摘し、「これだけ財政事情が悪いと景気にも悪影響を与える」「どのような実体経済が営まれていようと、財政再建の志は必要」との立場から「政府案では財革法凍結を『当分の間』としているが、凍結の期間は決めるべき。そうしなければズルズルと公債発行の泥沼に陥る」と強調した。宮沢蔵相は「いつだと言えれば幸せだが、それを申し上げることができないのが経済の現状だ」と答弁。日野議員は「まさか引退するから次の大臣に聞いてくれと言うのではないだろう。わが国の大蔵大臣がこのような弱気でいいのか」と追及した。
●生方幸夫議員 政治責任は誰がとるのか
生方幸夫議員は「派閥を加藤さんに譲るので大蔵大臣を年内に辞任する意向だという新聞報道は事実か」と宮沢蔵相に迫った。蔵相は「総理大臣にそういうことは申し上げていない。申し上げていない以上、自分の任務を務めさせていただく」と否定したが、生方議員がさらに明確な表明を求めると「私事なのでご勘弁を」と逃げの答弁に終始した。
さらに生方議員は「財革法の凍結は、昨年から私たちが言っていたこと。あの時凍結していればデフレ予算を組む必要はなく、補正予算の一次も二次も必要なかった」と指摘。「政府自民党の失政の責任は4つある」として、(1)財革法を無理矢理通してデフレ予算を組み、景気を悪化させた(2)三次にわたる補正予算で多大な負担を国民に押し付けた(3)経済対策が常にツーリトルツーレイト(小さすぎ、遅すぎる)で効果がなく、従来型公共事業だった(4)一貫しない政策で内外の信頼を損ねた――と整理した。 その上で「政治への信頼を取り戻すために責任を明らかにすべき」と迫ったが、宮沢蔵相は「その都度その都度懸命に対応してきたことはお認めいただけるだろう」として、責任をとる考えは示さなかった。
|
|
|
|