民主党の海江田万里議員は８日の衆院本会議で平成１０年度第３次補正予算案に反対する討論を行った。
海江田議員は「現下の経済危機は単なる循環的なものではなく、冷戦構造崩壊や大競争時代の到来による世界経済の大転換、成熟・少子・高齢時代を迎えた社会構造の変化にわが国の経済システムが適合できなくなっていることに原因がある」と分析。「政府・自民党は甘い経済見通し、景気対策の先送り、経済構造改革を後退させることで経済危機を深刻化させている。さらに年金・医療制度、国家・地方財政への国民の不信・不安が消費マインドを冷え込ませ、不況を倍加させている」と政府の経済対策を批判した。
海江田議員は民主党の「減税、安心、未来への投資」をキーワードにした「構造改革につながる景気・雇用対策」を発表したことを挙げ、「私たちの主張に誠実に耳を傾ければ、このような対症療法にすぎない補正予算になるはずがない」と述べ、政府の補正予算案を「自民党の利権を保持するためだけの経済対策」と断じた。
反対理由としては、(1)来年１月からの減税がない(2)公共事業中心の従来型予算編成(3)地方に２兆８千億円の支出を強制している(4)社会保障関係費の圧縮など弱者切り捨て(5)財政赤字の拡大――の５点を挙げた。さらにそれぞれの事項に対応する民主党の経済対策を述べ、「このような根元的な改革をなしえない小渕政権の退陣・政権交代こそが最大の景気対策」と強調した。
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