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1999/06/01
特殊法人にメス入れなければ行革は意味なし/石井紘基衆議院議員
 衆議院の行政改革特別委員会では連日、中央省庁等改革関連法案と地方分権一括法案に対する質疑を行っている。自民、自由両党の議員が質問時間を放棄して審議促進を画策する中、民主党では、それぞれ省庁や地方自治体の事情に詳しい議員を専門委員としてこの委員会に集中させ、連日さまざまな角度から法案の問題点に迫っている。

 1日の審議の3番手として質問に立った石井紘基議員は、「本来、民間部門が行うべきことを特殊法人がやっている。これが社会構造全体をゆがめている」と強調し、ライフワークの特殊法人問題の追及をはじめた。

 石井議員は「特殊法人は1200社以上ある。丸投げするための子会社まで含めたらもっと多い。公益法人にしても職員51万に対し役員49万人。これらが民間と同じビジネスを行っている」と数字を上げ、ここにメスを入れなければ行革の意味がない」と批判。

 「特殊法人は自由な活動ができない赤字体質がある。徹底した改革が必要だ。特別会計とも関係している」と厳しく指摘し、具体例として、日本道路公団、住宅・都市整備公団の不透明な業務内容について、「住都公団が京都における再開発交渉で接待を行った」などの事例をあげた。関谷建設相はこれに「事実だが、改善された」などと弁明。

 石井議員は納得せず「反対住民を接待で懐柔するなどもってのほか。きちんと処分すべき」と食い下がったが、関谷建設相は「公団総裁から職員に対して周知徹底させたので、今後は起きない」「注意は何度もした」などと言い逃れた。

 石井議員はさらに、住都公団の土地買収価格についてさらに質問したが、政府側は明言を避け、石井議員は「委員会でいくら質問しても取得費、建設費、利子、事務費、全然言わない。これで行政改革になるのか」と怒りが押さえきれない様子。「議論にもならない。時間のムダだ」とあきれはてた口調で質問を終えた。
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