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1999/06/09
誰も責任を取らない銀行破たん/上田清司議員が追及
 衆院行革特委では、9日午後から政府案に対する締め括り総括質疑が行われ、民主党からは上田清司、田中慶秋議員が質問に立った。

 上田議員は、約379万件の加入者がある郵政省の簡易保険「ニューナイスプラン」で「15年間の払い込み額」より「満期までの3年ごとの一時金+満期金」の総額が少ない事実を取り上げ、「保険者に損をさせている」と追及した。野田郵政相は「貯蓄ではなく保険だ。払込金と受取金が違うことも説明し、選択していただいている」と説明したが、上田議員は「パンフレットにはそんなことは書いていない。郵便局でもそんな説明はしていない。国家が詐欺に近いようなことをやって、どうして民間の保険を指導できるのか」とさらに迫った。結局、野田郵政相が「誤解のない説明をするよう指導する」が答弁したが、上田議員は「仕組みそのものに問題がある」と最後まで納得しなかった。

 また上田議員は、先日破たんした幸福銀行が、一昨年破たんした京都共栄銀行の受け皿銀行になったとき、456億円の贈与を受けたことについて「受け皿銀行は健全銀行しかならないはず。大蔵省などの認定は正しかったのか」と責任の所在を追及した。柳沢金融再生委員長は「従来の金融機関の検査で引き当てや償却の検査はやっておらず、資産の分類しか検査の対象にしていなかった。検査の枠組みが変わったことでこのようなことがおき、国民の皆さんに申し訳ない」と頭を下げた。上田議員は「1300億円資本注入した長銀も破たんした。そういう責任を誰がとるのか」「財政金融の分離はこのような無責任体制を避けるためにも必要」と主張し、質問を終えた。
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