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1999/06/10
一歩後退・二歩前進を期待する/岩國哲人議員
 10日、衆議院行政改革特別委員会で地方分権一括法案に対する締めくくり総括質疑が行われ、岩國哲人、中桐伸五両議員が最後の質疑に立った。

 岩國哲人議員は「今回の分権法案は、明治維新以来の第3の改革と言われている。100年分の体系を変えようとするのに、たった5日にあたる時間で終えるのか。これでは一日千秋ならぬ一日千週のスピードだ」「公述人の皆さんも法案全文に目を通せなかったと告白している」と拙速な国会通過を目指す政府・与党を改めて批判した。

 続いて、政府による行政コスト30%の削減目標について、具体的道すじをただし、野中官房長官が「政府のイニシアチブを示すものとして決定した。当面減量化を行い、合理化については、今後、各省別でなく省庁全体としてコスト減をめざす」と弁明。すでに実施中の具体例として、公共工事の削減や年金通知事務、会計処理事務の合理化をあげた。

 次に、地方分権に伴う女性公務員の地位の確立にふれた岩國議員は、「地方ではいまだに封建社会が色濃く残っている。20%の採用ベースに対し、課長への女性登用は5%にすぎない。男女参画社会を実現させる強い意志を政府は本当に持っているのか」とただした。野中長官は「まだ十分でない」との認識を示したが、具体的な目標値などについては何も答弁しなかった。

 岩國議員は最後に「短い質疑時間で議論し尽くしていない恨みは残るが、一歩後退・二歩前進を期待したい」と述べて質疑を終了した。
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