ニュース
ニュース
2006/02/14
やるからには実りのある政倫審に 野田国対委員長が記者会見で


野田佳彦国会対策委員長は14日午前、国対役員会終了後に国会内で記者会見を開催し、自民党の伊藤公介元国土庁長官に関わる疑惑に関し、与党側があくまで証人喚問を拒否していることを批判。伊藤議員から申し出のあった政治倫理審査会での弁明についても、実施する以上、実りのあるものにすべきだとした。また、小泉政権の現状についても、「明らかに潮目が変わってきた」とし、国会での追及を更に強めていく姿勢を強調した。

 野田国対委員長はまず、ヒューザー社との関わりなどで様々な疑惑がもたれている、自民党衆議院議員の伊藤公介元国土庁長官への証人喚問要求に対し、与党が「ゼロ回答の姿勢が変わらなかった」ことを取り上げ、「きわめて遺憾」だと批判。伊藤議員に関して、「口利きの疑惑はきわめて濃厚だと思う」とし、「政治資金規正法に違反する形で裏金をつくったのではないかという疑念も強まっている」とも指摘して、証人喚問の必要性を強く思っていたが、「与党は認識が違っているようだ」などとし、証人喚問の実現を引き続き求めていくと述べた。

 同時に野田国対委員長は、伊藤議員が政治倫理審査会に弁明を申し立てたことに関しても、伊藤議員が自らの著書で、疑惑をもたれた政治家は、「証人喚問に出るか議員を辞めるかぐらいに、明快に自身の政治姿勢を表していた」ことを改めて指摘し、にも関わらず「違う選択肢を持ってきた」ことを、「不思議だ」と皮肉った。政倫審での弁明に関しては、「どう受けるかについては真剣に検討する」とし、「やるからには実りのある政倫審にしていきたい」と述べて、国民に見える形での開催を求める姿勢を明らかにした。

 そして、いわゆる4点セットをはじめとする様々な疑惑が噴出し、「小泉総理に対する批判が公然と語られるようになってきた」昨今の政治状況に関しても野田国対委員長はコメント。「明らかに、小泉政権の潮目が変わってきた」として、国民にもそうした意識がわき起こるよう、「国会審議を全力でがんばっていく」との姿勢を改めて強調した。

 また、記者団から、受刑者の情報が刑務官のパソコンから流出した事件についての所感を問われた野田国対委員長は、陸上自衛隊のミサイルのデータが流出した事件などの事例も挙げ、「情報流出が多発している」と厳しく指摘。「全体的に政府が弛緩している」と批判し、この情報漏洩の問題についても国会審議の場で積極的に取り上げていく姿勢を明らかにした。
記事を印刷する