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1999/06/29
参院・行革税制等特別委で江田、藤井両議員が質問
 参院・行革税制等特別委員会の29日の一般質疑で、江田五月、藤井俊男両議員が質疑に立った。

●オウム対策の特例法を今国会中に
江田五月参議院議員

 江田五月議員は冒頭に、パソコンショップを経営し、教団の新たな資金源としている最近のオウム信者の動きを取り上げ、被害者救済の観点から、犯罪組織の構成員の得た収益を救済に充てる内容の「破産財団の充実に関する特例法」制定を強く求めた。

 野中官房長官の「現行法では誠に困難」との消極的な答弁に対し、江田議員は「政治家は知恵を絞り、今国会でぜひ特別立法を作るべき」と主張した。

地方分権一括法案に対して、江田議員は、「審査請求」に関して、「地方は対等な関係に変えるといいながら、法定受託事務に関して不服審査は、上級行政庁が行うという行政内部の一般法(行政不服審査法5条)で扱っている。これでは中央と地方の上下関係はそのまま温存され、地方の首長は常に中央に目を向けることになる。自治事務同様、異議申し立てにとどめるべき」と追及した。

 これに対して野田自治相は「従来の包括的指揮・監督ではない。法令の適切な執行を確保するもの。また従来と異なり、裁決では処分取消しまで。新たな処分は行えない」と、的外れな反論。

 江田議員は「関与の方で裁判の道を開いていても、他方で審査請求がそのまま。機関委任事務の思想が残る」と、持ち帰っての再検討を求めた。

 また省庁再編に伴う人権擁護行政について、まず野中官房長官はじめ各大臣の認識をただした上で、「その決意が中央省庁再編に生かされていない」と指摘。この国会で成立した「男女共同参画基本法」を引き合いに出し、人権擁護の調整機能を「内閣府」が果たすよう修正すべきと要求。

 また93年の国連総会での決議に沿って、日本としても準司法的機能をもつ独立機関「人権擁護委員会」を早期に設置するよう求めた。


●首長の多選禁止規定を盛り込め
藤井俊男参議院議員

 午後の質疑で登場した藤井俊男議員は、「地方分権の実施に際し、地域に密着した職業紹介の場を積極Iに設けるべき」と主張。また運営能力をもった有為な人材確保のため、むしろ地方から国への出向を実現し、対等交流に努めるよう要請した。

 また具体的数値をあげながら、首長の多選の弊害にもふれた藤井議員は「地方分権推進委員会の勧告や推進計画でこの点を言及していたのに、法案段階で盛り込まれなかった。任期は制限すべき」と主張。また地方議会の定数に対する国の上限規制について、「埼玉県の場合を見ても、常識的に運営されている」として政府に再検討を求めた。

 野田自治相は「消極的意見として、因果関係が不明、立候補の自由・職業選択の自由との関係が指摘される。現在、自治省でも研究会を設置、調査研究を進めている。超党派でご議論を」と述べたが、定数問題については「自治体は条例で定数を決められる。ただし上限の範囲内で決めていただく」と、変更するつもりのない考えを示した。
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