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2006/02/17
前原代表、「もったいない」のマータイ副環境相と環境保全策語り合う




前原誠司代表は17日午後、来日中のケニアのワンガリ・マータイ副環境相を党本部に迎え、世界レベルでの環境保全のあり方等をめぐり意見交換した。

 マータイ副環境相はグリーンベルト運動と呼ばれる植林事業を推進してきたエコロジストで、2004年にはノーベル平和賞を受賞。日本文化の美徳の象徴ともいえる「もったいない」という言葉を、世界共通の環境用語にしようとする運動も展開している。

 意見交換の冒頭、前原代表は「日本の『もったいない』という言葉を世界に広めていただき、日本人のひとりとして感謝する」と語るとともに、一年前の2月16日に地球温暖化防止を目指して京都議定書が発効したことに触れ、マータイ副環境相の来日について「時期を得た来日」とも述べた。

 前原代表はまた、民主党は従来から環境重視のスタンスでの政策立案はじめ、環境保全運動に取り組んできたことを改めて紹介。非常に早いスピードで経済成長を遂げている中国などを例に、中国やインドなどの大国が「もったいない」の精神がないままにエネルギーや食料の消費を続けていくのは世界的な大問題となっていくとの考えを示した。

 「日本には隗より始めよとの言葉もある」として、前原代表はその意味するところを紹介したうえで、日本が率先して「もったいない」運動を進めることによって、中国などの諸外国にも影響を与えられる立場を貫いていく重要性も指摘した。

 マータイ副環境相は、「もったいない」という言葉との出会いは一年前だったことを改めて説明したうえで「この言葉を世界に広めたいと思ったのは、すばらしい概念がつまっているから」と語った。世界的な対立を避けるためには限られた資源を公平に分けていくことが必要だとするとともに、この言葉は先進工業国だけでなく、貧困に苦しむ国も1次資源を消費しているので共有できるとの認識を示した。また、「もったいない」についてさらに勉強中だとも語り、「恐れ多い」という意味も包んでいるこの言葉の広がりは貴重だとの見方を示した。

 岡崎トミ子参議院議員は、「若い人たちには馴染みがなかったが、私の子ども時代には母や祖母がいつも口にしていた『もったいない』という言葉にもう一度命を吹き込んでくれた」と語り、マータイ副環境相が提唱する「環境なくして平和なし」の視点を広めてほしいと要請するとともに、自らもこの言葉を丁寧に使っていく考えを表明した。

 前原代表は最後に、同盟国である米国に対して、京都議定書の批准を強く求められない日本政府の弱腰ぶりを批判するとともに、「野党第一党としてそうした点について別の選択肢を国民に示すことが責務だと思っている。マータイさんが今度来日されるときには政権交代ができているようがんばる」とも述べ、マータイ副環境相は「強く求める」として民主党への期待感を示した。

 なお、意見交換には長浜博行『次の内閣』ネクスト環境大臣、福山哲郎役員室長代理も出席した。
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