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2006/02/21
代表ら全国知事会と意見交換 三位一体改革、道州制など議論
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民主党は21日、都内で全国知事会との意見交換会を設け、前原誠司代表はじめ松本剛明政策調査会長、仙谷由人『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣、枝野幸男党憲法調査会長、玄葉光一郎幹事長代理、渡辺周ネクスト総務大臣、鈴木寛ネクスト文部科学大臣、松井孝治参議院議員、逢坂誠二衆議院議員が出席。三位一体改革や道州制の問題等を議論した。
全国知事会側からは同会会長の麻生渡福岡県知事、増田寛也岩手県知事、山田啓二京都府知事、木村良樹和歌山県知事、高橋はるみ北海道知事が参加した。
会の冒頭、挨拶に立った麻生知事は先の衆院選前以来の会合となることを明らかにしたうえで、「みなさんには素晴しいマニフェストをつくっていただいた」として、分権社会設立への道筋を明確に打ち出した先の衆院選での民主党マニフェストを高く評価した。
また、小泉内閣の三位一体改革をめぐっては、地方に3兆円の税源を移譲し、裁量権を委ねることで地方の自由度の拡大を目指してきたが、制限を受ける結果となったと分析。国の負担率引き下げでは地方の自由度は増えず、分権の趣旨からすると不十分だとの見方を示し、民主党も分権問題に対してさらに前向きに取り組んでほしいとの要請があった。
続いて挨拶した前原代表は、民主党マニフェストを高く評価してくれたことに謝意を示すとともに、三位一体改革に関しては「全くと言っていいほど評価していない」と言及。「3兆円の移譲も(地方への)負担率の変化に過ぎない」との見方を示し、分権の最終ゴールが見えてないなかでとにかく進めたものだと指摘した。分権改革の本来のあり方としては、全体像を示すなかで、地方の受け皿や税源・財源の問題を議論するのが筋であり、道州制のあり方も含め、全体像が示されないまま改革が進むことに遺憾の意を示した。
「わが党は単に批判をするだけの党ではない」と改めて表明した前原代表は、政調会長を中心として議論を進めていることを明らかにし、民主党案を出すなかで全国知事会との意見交換も踏まえて、よりよい分権案を作り上げていく意向を示し、「われわれが目指す社会像は市民参画型分権社会。いい案をまとめ、社会のよりよい起爆剤となるようにしていきたい」と語った。
意見交換では、教育に関して、教育内容・教員人事・設置等に関して地方に一括して権限を委譲して、地方自治体が統一して行うようにすべきとの民主党側の指摘に関しては基本的には一致する考えが全国知事会から示された。
道州制については、全国知事会側から国の権限を移譲していくうえでは、道州制を強力に進める必要があるとの指摘があったが、民主党側は将来のあるべき姿を考えた場合、基礎自治体が担う権限は何かを検討することから始めており、広域自治体をどうするかは議論を待つところだと表明。「道州制の問題で区割りなどの問題が一人歩きしてしまうと、議論は錯綜してしまい本筋の議論に繋がるかどうか疑問」との意見も出された。
道州制の議論に関してはまた、そもそも地方制度協議会で議論していることに全国知事会側から不満の声が上がった。国の役割を変えていくための議論で、霞ヶ関の解体までに及ぶものであり、地層制度の議論ではそもそもなく、国の制度の議論を埒外にしたうえでの議論では不十分との声が続いた。
また、支分局の廃止の必要性を民主党側から指摘したのに対しては、廃止は妥当との認識が全国知事会側から示された。「完全な二重行政となっている。この点を民主党からもメッセージとしてきちんと伝えてほしい。メスを入れてほしい」との要請もあった。天下り公益法人関係リストにも支分局管轄と思われるものもあり、これにメスを入れることで、国と地方の役割分担、権限の整理に繋がるとの指摘も民主党から示された。
全国知事会からは三位一体改革についてたびたび厳しい評価が下され、同会が政府に提出した補助金廃止リストの中で実現率は12%に過ぎないことを指摘するとともに、児童手当などで地方負担が引き上げられたのは非常に残念との声が相次いだ。民主党はそうした視点に立ってしっかりと議論し、三位一体改革の第二ラウンドに向け、民主党から声を上げ、議論を巻き起こし、批判の声を上げてほしいとの要請があり、国会で分権をテーマに政府・与党と論戦を展開してほしいとの期待感が示された。
さらに、国と地方の協議の場が機能していない、不十分だとの認識がたびたび全国知事会側から示され、国政の場で認識してほしいとの要請があった。この点について民主党は「国と地方の協議の場を法制化する必要性」を民主党マニフェストでもきっちり提示しており、同意を見た。
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