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2006/02/21
【衆院予算委】加藤議員、同族企業への課税の問題など鋭く追及


衆議院予算委員会は21日も一般的質疑を続行し、民主党・無所属クラブから岡田前代表に続いて加藤公一衆院議員が質問に立った。加藤議員は、税制の問題の中でも特に、同族企業への課税や固定資産税算出の基になる地積調査の問題について質したほか、障害者雇用の問題についても改めて取り上げた。

 加藤議員はまず、平成18年度税制改正で、特殊支配同族会社の役員給与の損金算入ができなくなる点に着目し、その理由を谷垣財務相に尋ねた。谷垣財務相は、法人経費の適正化を図る意味で自然な考え方だなどと答弁。加藤議員は、資本構成と常勤役員の人数次第で税金が大きく変わる可能性が出てくるとして、法人税の枠の中で改正しようとすると、新たな節税対策や納税者間の不平等が生まれないかについて強い懸念を示した。

 更に加藤議員は、財団法人大蔵財務協会の試算として、法人所得が100万円、給与800万円の場合、62万円の増税になることを指摘。ある日突然、62万円増税と言われて納得しろというのが無理だとして、谷垣財務相に迫った。谷垣財務相は、「適用対象となる法人は相当程度限定される」などとした。

 加藤議員は続いて、固定資産税の問題に関連して、登記簿に記載されている土地の面積と実際の土地の面積の差異の問題に着目し、地積調査の進捗状況を北側国交相に尋ねた。答弁により、双方の数値が一致しているのは46%に過ぎず、残りの54%は、ずれているままということが判明。更に、地積調査の前と後で、実際の面積が平均で24%の増加となっていることも明らかになった。

 固定資産税は登記簿に書いてある面積に基づいて課税され、「24%というのは大変な数字」だと加藤議員は指摘。仮に日本全体の面積に当てはめると、四国全体分ずれていたということだとして、「大きな不公平があるのではないか」と竹中総務相の見解を質した。竹中総務相は、1億8千万ヶ所の土地を評価して毎年課税するのは大きな作業だとし、「現状に合わせるよう適切に対応しなければならない」とした。

 更に、加藤議員と竹中総務相のやり取りの中で、公平な方法は見当たらず、地積調査を進めてもらう以外にないとした竹中総務相に対して、加藤議員は反論。「仕方ないで済ますわけにはいかない」問題だとして、旧自治省の告示も取り上げ、相続税については実際の面積に応じて課税されていることも谷垣財務相に確認した上で、「告示を変えて、固定資産税も現況に従って課税をする決意はないか」と、竹中総務相の積極的な取り組みを再三にわたって求めた。

 竹中総務相は、現状に問題点があることは認めたものの、「やはり地積調査をしっかりやる以外にない」ときわめて消極的な姿勢から踏み出すことはなく、「納得できない」として業を煮やした加藤議員は、「その地積調査をしっかりやるために大臣は何をやったのか」と詰め寄った。竹中総務相は、国交省と総務省とでしっかりと協議をしていく、などと具体性のない答弁に終始したため、加藤議員は今後も追及を続けるとの意志を明らかにした。

 最後に加藤議員は、障害者雇用の問題について改めて取り上げ、従業員数300人以下の企業についても障害者雇用納付金制度の対象にすべきではないかと指摘。旧総務庁から平成8年に旧労働省・旧文部省に対して同様の勧告が行われており、検討するとの回答のみで全く前進が見られないとして、川崎厚労相と猪口少子化・男女共同参画担当相の見解を質し、「十分検討はしてまいりたい」などの答弁を得て、質問を終えた。
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