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1999/07/23
地方自治体議員フォーラム・第1日7/23
 初日の地方自治体議員フォーラムの全体集会には、地方議員など約500人が参加。実行委員長を務める広中和歌子副代表は、「自民党は、数だけ多い自自公99年体制の世紀末政権を作ろうとしている。民主党はしっかり民意を反映した政党として、国民の支持と信頼を得ていかなければならない」と挨拶。

 この後、神野直彦・東京大学教授が「地方財政の危機とその解決法」と題して講演。神野教授は、「地方分権一括法について税財源関係が不十分との批判は多いが、中央集権という冬の扉を開く第1歩と認識してほしい」と述べ、「いま起きている地方財政危機は日本特有で、道府県に多い『強制型』と市町村の『誘導型』の2パターンがある。これを克服し危機を脱するには税源を地方に移譲するしかない」と説明した。

 続いて阿部泰隆・神戸大学教授が「自治立法権の拡大と政策づくりの視点」の題で講演。これまで国の行ってきた裁量行政を批判し、地方自治法の改正によって強まった地方自治体の役割を強調。その上で、阪神大震災における被災者対策や復興事業、情報公開法などを例に挙げ、政策目的を実現するための法律や条例の発想法やアプローチの仕方を、ユーモアを交えながら語った。さらに3つの分科会に分かれて、参加者たちは地方財政、自治体条例づくり、介護保険条例づくりについて、講師を交えて話し合った。


 夕方からは菅代表、羽田幹事長ら党幹部を交えての夕食、懇親会が開かれ、交流を深めた後、さらに「男女共同参画基本条例づくり」のワークショップや、町の福祉施設建設をめぐる秋田県鷹巣町長と議会との間の葛藤を描いたドキュメンタリー映画「住民が選択した町の福祉」の上映会も催され、夜遅くまで熱心な研修が続いた。
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